ベイトリールのスプールには下糸を巻きますよね。
その下糸をPEラインにすると立ち上がりが良くなるというお話。
カスタムパーツを使わずにリールの性能アップ
リールパーツのデザイン設計製作販売営業部長(うそ)のカケヅカです。
今回は本業であるリールカスタムについて書いてみようと思うのですが、内容としてはカスタムパーツを一切使わずにリールの性能を爆上げさせようというものです(爆。
爆上げはちょっとオーバーな言い方ですが、本当に専用のカスタムパーツは使わずにベイトリールのスプール回転を確実に良くする方法を紹介します。
タイトルにもあるように、スプールの下糸をPEラインにするだけです。
なぜPEラインを下に巻くだけでスプールの回転が良くなるのか、順を追って説明しますね。
リールの下糸の役割
まずリールの下糸の本来の役割ですが、
『ライン交換をする時にスプールにいちいち結び直すのが面倒くさい』
という事があるかと思います。
滑り防止で結び目をテープで固定するなど、ライン交換の度にスプールに結び直すのは結構な手間ですからね。
次に、『スプールの溝の深さを埋めてやるため』に下糸を巻く事も多いのではないでしょうか。
よほど遠投するスタイルでなければ一回の釣りで使うラインの量は意外と少なくても済むものですよね。
でも溝の深さいっぱいまでラインを巻いてしまうと下に巻いた分が数十メートルも無駄になってしまいます。
ラインも安くないですから、先に使い古したラインを巻いておいて、新品のラインは必要最低限の長さだけ巻くというのはアングラーとして常識と言っても良いでしょう。
じつは今の仕事を始めるまで、自分もベイトリールの下糸には使い古しのフロロカーボンを巻いてました。
ナイロンラインは吸水性があるので使いませんでしたが、PEラインを巻くという選択肢はありませんでした。
その後バス釣りをお休みしていた時期があり、丸6年空けて復帰した時にビックリしたのがベイトフィネスの登場です。
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浅溝スプールの効果
ここ数年で当たり前になってきた浅溝スプールの存在によって、ベイトリールの性能は格段にアップしたように感じてます。
そのキッカケとなったのがベイトフィネススプールの存在ではないでしょうか。
釣りブランクから復帰して、初めてベイトフィネススプールを目にした時は、まるで溝のないスプールに見えましたからね(笑。
でもそれはリールの性能を極限まで追求した合理的なシステムだという事を知る事になります。
長くなるので簡単に説明しますが、スプールの自重が軽ければ軽いほど回転の立ち上がりが良く、ブレーキが効きやすいという事です。
浅溝スプールは自重が軽いのはもちろん、糸巻き量が極端に少ないのでスプール自体が軽いんですよ。
その結果『バックラッシュしにくく軽い力で良く飛ぶ』という事になる訳です。
そしてタックルとのバランスでメチャ軽いルアーでも投げやすくなるんですね。
近年ではノーマルリールにも浅溝スプールを採用してる機種も多くあり、特に何もしなくてもイージーキャストが可能になったと思います。
それでもすべての機種が浅溝スプールを採用してる訳ではありませんし、社外品スプールがリリースされてる訳ではありません。
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リールの剛性や基本性能は高いのに、無駄に下糸を巻かなくてはいけないのはちょっともったいないと思ってたんですよね。
型落ちリールを生き返らせるカスタム
型落ちリールの性能をもっとも進化させる方法、それはカスタムスプールに交換する事でしょう。
でもカスタムスプールって結構良い値段しますよね。
自分の場合は仕事柄カスタムパーツは自由に使わせてもらえるのですが、一般の人は躊躇する値段だと思います。
なのでまずは型落ちのノーマルリールにPEラインを巻いてキャストしてみてもらいたいのです。
PEラインは比重が低い(軽い)ので、スプールの自重をもっとも軽くできるんですよ。
あきらかに立ち上がりがよくなり、いつもより軽いルアーが投げられるのがわかります。
その上で、下糸に必要な分だけ残して、フロロカーボンなりナイロンラインをその上に巻いてキャストしてみてください。
キャストフィールが良くなってるのが体感できるはずですから。
バックラッシュをほどきやすい
下糸にPEラインを使う隠れたメリットとして、『バックラッシュが深刻化しにくい』という事も書いておきます。
じつは子供にキャストさせる時にPEラインを巻いてやるのですが、バックラッシュしてもほどきやすいというのが理由なんですよ。
たまにですが息子を連れて釣りに行くのですが、やはりミスキャストは多いです。それを解く作業は親の役目ですよね(笑。
そのときPEラインだとスプールが無駄に空回りしにくいので大事になりにくいんです(慣性の法則が働かないとかなんとかの理由で…)。
マグネットでも遠心でも、ブレーキが良く効くので(抵抗になってる訳ではなく)、大バックラッシュという事にならないんですよ。
もし必要な分フロロを巻いてたとしても、大バックラッシュの時に下糸のPEラインは助かるのではないでしょうか。
(そもそもバックラッシュしにくいですけどね)。
ベイトリールの下糸にはPEラインが良い
結論として、ベイトリールの下糸にはPEラインが最適だという事がわかってもらえると思います。
溝の深いスプールほどその効果は体感しやすいですね。
最近だと、SHIMANO18バンタムMGLはノーマルではかなり溝が深くて、16ポンドラインを100m巻ける深さになってます。
でもフィールドや釣り方によっては30mも巻ければ十分というケースも多く、下糸を沢山巻いた分だけスプールの立ち上がりが重くなってしまいますよね。
なのでせめて、その下糸を比重の低いPEラインにしてやるとキャストがしやすくなるという訳です。
さいごに
そんな訳で、『ベイトリールのスプールにはPEラインを下巻きするとキャストがしやすい』という事がわかって頂けたでしょうか。
案外無意識にPEラインを下巻きに使ってる人もいるかと思いますが、それ正解です(笑。
あえて試す必要もないですが、比重の高い(重い)フロロカーボンを下巻きしてしまうとスプールの立ち上がりは重くなってしまいますから、キャストに余計な力が入ってしまいますよね。
そう考えるとベイトリールの下巻きはPEライン一択、しかもできるだけ比重の低いものが良いです。
じつは激安PEラインの方が比重が低かったりするので、大量に巻いてあるものを一つ買っておくと良いかもしれません。
PEラインは持ちが良いですから、普段釣りで使ってるPEラインが劣化するのを待ってたらいつになるかわかりませんよね(笑。
自分が使ってるのはアマゾンで適当に買った安いやつですが、普通にこれで良いと思います。
checkベイトリールの下巻き(下糸)用に安いPEラインを巻いてみる
一回巻いてしまえば半永久的に交換する必要はないはずなので、お手軽にリールの性能アップを体感してみてはいかがでしょうか。
《【超簡単】スプールの立ち上がりを軽くするには下糸にPEラインを巻くだけ》を最後までお読み頂きありがとうございます。
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