【ジュラルミン10Mソケット】ハンドルロックナットが手強い19アンタレス専用ツールを削ってみた

需要あるかわかりませんが、バス用ベイトリールのハンドルロックナットを外すためのツールを作ってみました。

 

19アンタレスなどのロックナットが埋め込んであるタイプのハンドルを外す時に重宝する専用ツールです。

 

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ハンドルロックナットをキズ付けにくい専用ツール

 

みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカです。

 

19アンタレスのハンドルを外すためだけに専用ツールを作ってみました。

 

KDW Duralmin M10 socket

今回はマシニングセンタではなく複合自動旋盤で削ってみた。側面の円周の仕上がりが旋盤の方がキレイなんですよね。

 

一見なんだかわかり難いかもしれませんが、これボックスレンチです。

 

Duralumin 10M Socket

カラーアルマイトをつけたジュラルミン10Mソケット。KDWで販売するのはオリジナルカラーのレッド・ブラック・シャンパンゴールド。

 

SHIMANOのバス用ベイトリールのハンドルはほとんどM7(平径10mm)のナットで固定されてまして、ハンドルを外す時にそのナットを緩めて外さなくてはいけないんです。

 

19アンタレスのハンドルもM7ナットで固定されてるんですが、ハンドルが削り込まれていて、深い部分にナットがあるんですよ。これが普通のレンチでは外せないんです。

 

SHIMANO19ANTARES

19アンタレスのハンドルロックナット。ハンドルの中心部が削りこんであり、ナットが深い位置で止まってます。これだと通常のレンチは使えない…。

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2019年1月10日

 

こうなるとボックスレンチを使う必要があるのですが、JIS規格のレンチはかなりガタガタで、どんなに丁寧に回してもナットにキズを付けてしまうんですよね。自分はそれが許せない体になってしまってるんです(笑。

 

トラストレンチにジャストフィットするボックスを作る

 

ところで、ベイトリールのハンドルロックナットを外すための専用ツールとして、HEDGEHOG STUDIOからトラストレンチがリリースされてます。

HEDGEHOG STUDIO TRUST WRENCH

ジュラルミン製のナットにキズや打痕を極力付けないために開発された、クリアランスがギリギリピッタリになっているリールメンテナンス専用ツール『トラストレンチ』。

トラストレンチを使うとカラーアルマイトされたパーツに優しいよ

2016年9月16日

 

じつはこれ、現在の形は自分がデザインして加工してるんですよ。なんだかんだマイナーチェンジを繰り返してますが、基本的な形は大きく変わってません。

 

特徴としては、あえて柔らかいアルミ材を使ってるので、ロックナットを傷つけ難いのですが、最大の特徴はナットの径に1/100mm単位の公差でジャストフィットしてる事です。

 

簡単に言うと”ガタ”が無いんです。

 

ガタが無いとナットにキズや打痕が付きにくいんですよ。

 

ちなみにHEDGEHOG STUDIOでリリースしているリール各社のハンドルロックナットもKDWで加工してるので、トラストレンチとの相性は抜群です。

 
 
 
 
 
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SHIMANOの新型ハンドルロックナットがアルマイトから上がってきました‼️ 今回も非常に良い出来で満足してます(^.^) カラーは左右共に怒濤の13色。 早ければ今日明日にでも発売されると思います。 宜しくお願いします‼️ ①レッド ②サファイアブルー ③スカイブルー ④ロイヤルパープル ⑤ライムグリーン ⑥オレンジ ⑦ゴールド ⑧シャンパンゴールド ⑨ブラック ⑩ガンメタ ⑪ロイヤルピンク(新色-仮名) ⑫ブラウン(新色-仮名) ⑬ディープグリーン(新色-仮名) ✡️ ✡️ #SHIMANO #新色ハンドルロックナット #NEWhandlerocknut #shimano #shimanoreels #bassfishing #blackbass #ブラックバス #バス釣り #釣り好きな人と繋がりたい #HEDGHOGSTUDIO #ヘッジホッグスタジオ #kakedzuka #kakedzukadesignworks #reelparts #カケヅカ #カケヅカドットコム

かけづか(KDW代表)さん(@kakedzuka)がシェアした投稿 –

 

そのトラストレンチにジャストフィットするボックスレンチを思いつきで作ってみたという訳ですね。

 

オフセットされたハンドルに適合

 

19アンタレス専用とは言いながら、じつはロックナットがオフセットされてるリールの多くに対応すると思われます。

 

間違いないのはSHIMANOでは14カルカッタコンクエストですね。このリールは従来のトラストレンチだと引っかかりがなくて外せません。

 

SHIMANO14CALCUTTA-CONQUEST

なぜか14スコーピオンにセットされてる14カルカッタコンクエストのハンドル。これには海より深い事情があり…。嘘です、使ってないノーマルハンドルをそこらへんにあったリールにセットしただけです(笑。

【SHIMANO14カルカッタコンクエスト101】に【かっ飛びチューニングキットAIR】を入れてみる

2017年4月28日

 

じつはAvailからもオフセットレンチがリリースされていて、Avail製STi2ハンドルのロックナットを外すのに適したサイズ感となってます。しかも超々ジュラルミン製。

 

Avail OFFSET WRENCH

手前ゴールドのがAvail製オフセットレンチ。レッドのがHEDGEHOG STUDIO製トラストレンチ。Avail製はクリアランスを少し多めに取ってある感じ。

同じ機種でハンドルを使いまわしてベイトリールを幅広く使おう

2019年3月24日

 

14カルカッタコンクエストもAvail製オフセットレンチがジャストサイズで、自分も使わせてもらってます。

 

Avail OFFSET WRENCH-2

14カルカッタコンクエストのノーマルハンドルは問題なく使えるが…。

【14カルカッタコンクエスト】マグネットブレーキ仕様は17カルカッタコンクエストに勝てるのか

2017年3月10日

 

ところがどっこい、19アンタレスのハンドルのオフセット具合がAvailのレンチでも届かないんですよ。

 

こうなると工場に転がってるM7のソケットレンチで外そうかとも思ったのですが、スチール製の、しかもクリアランスが大きいレンチの場合ジュラルミン製のナットに打痕やキズが残ってしまいそうで…。

 

六角形の部分が結構浅いので、ナメちゃったらアウトだし。ここは専用ツールを作るしかないだろ、と。

 

そんな訳でオフセットされたハンドルに使えるソケットを、トラストレンチと同じ精度でジュラルミンで作ってしまいました(笑。

 

Duralumin 10M Socket-2

ジュラルミン10Mソケットを19アンタレスのナットにハメてみたところ。真っ直ぐ入れないと中々入らないぐらい寸法がギリギリ。

Duralumin 10M Socket-3

HEDGEHOG STUDIO製トラストレンチに合わせて使ってもらうとガタツキが全くないので快適。

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2019年2月6日

 

本当に需要は少ないと確信してますがw、でもそれには自分の中で思った事があったんですよね。

 

新しい技術の習得

 

この需要なさそうなボックスレンチ(の駒)なんですが、工場にある機械の”隠れた機能”というか、潜在的なポテンシャルを引き出すための実験を兼ねてトライしてみました。

 

それらしい事を言ってますが、早い話これまで機械の性能を使い切れてなかったという事ですね(汗。

 

今の仕事に方向転換してからスーパー借金して機械を導入したのですが、自分の頭でこれを動かすまでにはかなり時間かかりまして(汗。やっと最近基本的な動きを理解してきたレベルなんですよね。

 

TSUGAMI B0-206Ⅲ

一台のマシンの中に主軸が2つ入ってるタイプの複合自動旋盤。プログラムは中々に複雑で頭から煙を出しながらやってます(笑。でも加工精度は高く、仕事も早いんですよ。動いてしまえば楽なんですが…。

 

個人でやってる小規模会社でこの機械を入れてるところって結構少ないんじゃないかと思ってます。なんせ外注したくても全然見つからない(笑。

 

そんな何気に中々の切削機械が入ってるKDWなのですが、機能が多すぎてまだまだ使いこなせてないんですよ。

 

今回は眠ってる機能の一部を掘り起こして、この先作るまだ見ぬ新製品の足がかりにできればと思った訳です。

 

さいごに

 

一部の人は熱望するであろう、でも全体的には需要のなさそうなジュラルミンM7ソケットですが、一応製品化します。

 

KDW Duralmin M10 socket-2

我ながらキレイな仕上がり。この六角形の穴加工が難しかったですが、なんとか習得しました。

 

専門的な話になりますが、鉄やステンレスと比べてジュラルミンは精度を出しやすいので、お値段はなるべく抑えようと思ってまして。

 

精度に関しては硬い素材ほど刃物の摩耗が激しいので、量産してるうちに公差が…、とこんな話は今はおいておいて(笑。

 

とにかく専用ツールの快適さをなるべく多くの方に知って欲しいですね。

 

自分のスキルアップも含めて、これからもマニアックなツールを作っていけたら良いと思ってます。

 

では。

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