2019年の新作リールの話で盛り上がってる中、なぜシコシコとSHIMANO13メタニウムのクラッチレバーを作ってるのか、というお話。
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SHIMANO13メタニウムオフセットクラッチ
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカです。
今回はリニューアルしたシマノ13メタニウムのオフセットクラッチについて自分の考えを書いてみたいと思います。
ちなみにこのオフセットクラッチなんですが、15メタニウムDC/16メタニウムMGLにもセットできます(おそらく14クロナークCi4+にも)。
ですが自分が13メタニウムを普段愛用してるという事で、あえて13メタニウム用オフセットクラチという事にさせてもらいますね。
年が明けて2019年になり、なんだかんだ6年落ちとなった13メタニウムですが、まだまだ実践で使ってもなんの問題も無いように感じてます。
むしろカスタムパーツの充実で最新機種と遜色ないとさえ思ってしまうのですが、一つ気になってた部分がクラッチレバーでした。
ドレスアップパーツとしてだけではなく
過去にも13メタニウム用のカスタムクラッチを作ってたのですが、現在絶賛品切れ中です(汗。
そして今回リニューアルした13メタニウム用のカスタムクラッチを作ったのですが、その仕様は前モデルより大きく変えました。
基本設計から全然違う形・仕様になってるのですが、最も変わった部分は二つあります。
一つはクラッチバーに止めるビスをダブルにしたこと。
もう一つがクラッチをスプールに近づけたこと。
これが何を意味するのか、自分の考えを説明させてもらいますね。
クラッチレバーの破損を防ぐダブルビス
過去記事に書いたのですが、シマノベイトリールの中でも特に13メタニウム系(15DC/16)はクラッチが破損するらしいんですよね。
折ってたどぉ……
何かと話題なメタニウムのクラッチをわたくしも今シーズン、折ってしまっていたのでした。(ウチモノ用に使っているハイスピードギアモデル)
まし締めしないといかんのね。
純正クラッチをとりよせちゃったけど、カケヅカさんちのカスタムクラッチも来年、でるのかぁ。 pic.twitter.com/v6MGKwF8If
— ナマロー@釣りブロガー (@nama_ryu) 2018年12月29日
これについてDeeePSTREAMさんが記事されてましたが、年間3回ぐらいの頻度で破損させてしまうらしいです(笑。
[blogcard url=”http://deeepstream.com/2018/12/29/clutch/”]
自分は経験ないのですが、Twitterでアンケートしたところ、結構な人が破損の経験をしてるようで。
【クラッチ破損について】
小耳にはさんだのですが、SHIMANOのベイトリールのクラッチを破損させた事がある人が結構いるらしいです。
自分は経験ないので、参考迄に教えてもらえると助かります(^_^;)
どんな使い方で破損しましたか?
— かけづか(KDW代表) (@kakedukaSS) 2018年11月27日
ならばやっぱりジュラルミンのカスタムクラッチはドレスアップ以外の目的で需要があるんじゃないかと考えたんです。
樹脂製からジュラルミン製にするだけで剛性はまったく別物になりますが、さらに固定用のビスを2箇所で止める事で信頼製は跳ね上がります。
ちなみにノーマルがスクリュービス(いわゆる木ネジ)なのに対して、ジュラルミンクラッチはもちろんJIS規格に準じたM2ビスを採用。
ネジのゆるみ防止剤を併用する事で強固に固定する事が可能になりました。
スプールとクラッチが近いと何が良いのか
個人的に13メタニウムのクラッチ形状は好きではありませんでした。クラッチを切った状態で指を乗せた時に、スプールとの隙間が広いのが気になるからです。
これは同じシマノの18バンタムMGLでもスプールとクラッチレバーが離れてたんですよね。
メタニウムはバンタムに比べればそこまで離れてないですが、それでも他社と比べると広めです。
過去にAbu16レボシリーズのクラッチをデザインした時に発見したのですが、スプールとクラッチレバーが近い方が指を置いた時の感触が良く、サミングコントロールがしやすいんですよ。
その流れで18バンタムMGLのクラッチを作ったら、これが凄く良い感触で作った本人がビックリするほど(笑。
そして18バンタムMGLのオフセットクラッチをリューターとヤスリで削って13メタニウムにセットしてみたら、やっぱり最高に気持ち良かったんですよね。
今回メタ用のクラッチを作ろうと思った一番の理由がそこでした。
嬉しい誤算
今回作った13メタニウム用クラッチには嬉しい誤算がありまして、クラッチを強く押さえた時に本体フレームに当たる事で安定感が出たんです。
これも18バンタムMGLと同じなのですが、シマノのベイトリールはクラッチがスプールに近くできない絶妙な位置にフレーム(の補強)があるんですよ。
以前のクラッチはこの問題があったからスプールに近づける事ができなかったんですよね。
それがある時モノ作りの神様が降臨しましてw、金属製品ならではの方法でその問題をクリアする事に成功しました。
クラッチの前の部分の肉厚をギリギリまで薄くする事で、リールのフレームよりスプール側に寄せる事ができたんです。
これが樹脂だと撓んだりして強度を確保できないところですが、ジュラルミンならまったく問題ありません。
指でいくら強く押してもクラッチが撓む事なくスプールに近いところでクラッチを操作出来ます。
そして肉厚を薄くした部分がフレームに当たる事でクラッチバーに負荷をかける事がなくなり、キャスト時にクラッチを強く押さえてもクラッチを固定してるビスに直接負担をかけなくて良くなりました。
これは本当に偶然の産物でしたが(笑。
さいごに
以前に13メタニウムのカスタムクラッチを作ったのは三年前だったと思うのですが、それから自分も経験値を上げましたので製品の完成形も違ってきました。
当時作れなかった形も今なら作れます。なので今回のように思い切った形を削る事ができました。
13メタニウムに限らず、過去に作ってきたクラッチは時間をかけて認知され、いまでは頻繁に再生産の問い合わせを頂きます。
そうなると自分の中にくすぶってた〈作りたい欲〉が再燃してきます(笑。
カスタムクラッチはぶっちゃけ作るのが大変なので、安く大量に販売する事ができません。
そしてクラッチにこだわる方も全体からみたら極少数なんだと思います。
なので需要と供給のバランスを取る事はできるのではないかと考えてます。小さなメーカーならではの考え方ですけどね。
そんな訳で一部の人が熱望する13メタニウムのジュラルミンクラッチレバーですが、デザインを変えて再販いたします。
気になる方はぜひ手にとって頂ければと思います。
では。