SHIMANOのベイトリールを使っていてクラッチレバーが破損した経験がある人が結構いるようです。
樹脂製クラッチの破損と原因、そしてその対策について考えてみたいと思います。
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SHIMANOの樹脂製クラッチレバー
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカです。
先日Twitterでアンケートをさせてもらったのですが、SHIMANOベイトリールのクラッチレバーが壊れてしまう事例(?)があるようなんです。
【クラッチ破損について】
小耳にはさんだのですが、SHIMANOのベイトリールのクラッチを破損させた事がある人が結構いるらしいです。
自分は経験ないので、参考迄に教えてもらえると助かります(^_^;)
どんな使い方で破損しましたか?
— かけづか(KDW代表) (@kakedukaSS) 2018年11月27日
自分もリールは基本的にSHIMANO推しなんですが、これまでクラッチが破損した経験は一度もなく、最初は信じられませんでした。
目の前で実際に壊れたところを目撃した事もないですし、壊れたパーツを見た事もないのですが、ここ最近複数の知り合いの方からクラッチ破損の話を直接聞ききまして。
レアケースだと思っていたクラッチレバーの破損が、意外と身近に多くあるらしいという事に気付かされました(汗。
13メタニウムが多数か
TwitterのアンケートではSHIMANOのベイトリールとしか書いてませんが、自分が聞いた話はすべて13メタニウムのクラッチなんです。
自分も13メタニウムは3台所有してますが、これまで破損した経験はありません。
ただし自分の場合、使い始めて早い段階でカスタムクラッチに交換してますので、壊れる要素が無かったんですよね。
カスタムクラッチを作るキッカケはHEDGEHOG STUDIOからの依頼で、基本デザインから設計までやらせてもらいましたが、あくまでもドレスアップ的な意味合いの強いパーツだと思ってました。
作った張本人が、「破損したクラッチの対策」という認識がまったく無かったという、なんとも滑稽な話ですよね(苦笑。
いや、カスタムクラッチを買ってくれた人が全員クラッチを破損させてた訳ではないと思いますが(笑。
18バンタムMGLと酷似
13(15/16)メタニウム系のクラッチはこれまでに数百個作ったと記憶してるのですが、SOLD OUTになって久しいです。
じつは週に何度も問い合わせが来るほどリピートを希望される方が多いパーツなんですよね。
これまで優先順位的に後回しになってて、いつ作れるか自分でも予想できてなかったのですが、ちょっとした偶然からこの度モデルチェンジしてまた作る事にしました。
偶然というのは、久しぶりに手がけたSHIMANO18バンタムMGL用のオフセットクラッチと寸法が非常に近かったんですよね。
その18バンタムMGLのクラッチと13メタニウムのクラッチがほとんど同じ寸法だとわかった時には無性に作りたい衝動に駆られました。
だって現在13メタニウム3台、16メタニウムMGLを一台で合計4台自分でも所有してますから。
一周回ってメタルクラッチ開発
クラッチってメチャクチャ手間がかかるし、不良率が異常に高いので、「作ろう!」と思うまでに大変なんです(笑。
重い腰を上げるための気合というか、自分が本当に必要だと思わないとアイデアが出ないというか(軟弱モードw)。
18バンタムMGLはその理由がハッキリしていたので、最初に見た時からクラッチを作りたいと思ってたんですよ。
過去には、あるモデルのクラッチを500個削ったあとに不良だった事がわかり、アルマイトまでやったのに全滅、という事も何度かありました(苦笑。
丸一ヶ月かけて削ったものが全部ダメになるというのは心が折れるんですよね。
でもそれが自分の経験値というか、のちの製品開発の血となり肉となる、と信じて再トライを繰り返しました。
自分で納得のいくものが出来上がった時の感動は、ものづくりをしていて感動を覚える瞬間の一つですね。
そしてそれが市場に出て、ユーザーさんから喜びの声を聞いた時は最高の気持ちになります。
破損対策になるのかメタルクラッチ
「クラッチが破損する」という話から少しずれてしまいましたが、自分の作るメタルクラッチが破損を防ぐ対策の一つになれば良いと思ってます。
これまで見てきたベイトリールのクラッチはすべて樹脂製でした。
それをクラッチプレートに対してビス一本で止まってるのがほとんどで、しかもスクリュービス(木ネジ)なんですよね。
近年リールの機能は天井しらずというか、飛距離やブレーキ性能、本体の剛性感やパーツの装飾などお値段以上に所有欲を満たしてくれると思います。
その中にあって、クラッチレバーはどこか陳腐というか、あまり重きをおいて作られてるように思えないんですよね(笑。
宣伝になってしまいますが、弊社カスタムクラッチはジュラルミン製の削りだしで、現在のモデルはJIS規格に基づいたM2ビスの2点止めです。
さらに今回の18バンタムMGLと16メタニウムMGLのクラッチは構造上ビスに掛かる負荷はかなり小さい設計です。
年単位でテストした訳ではないですが、理屈的に樹脂製のクラッチに比べて剛性は格段に高くなってると思われます。
お値段がそれなりに高くなってしまうのは申し訳ないと思いますが…。
カスタムクラッチの需要は破損や劣化が原因なのか
カスタムクラッチの需要は、破損や劣化で物理的に使えなくなる事が大きな要因だったのかもしれません。
これまで過去に作ってきたクラッチがボチボチSOLD OUTになってきてますが、作った直後にはまったく売れないという流れでした(苦笑。
それが制作から数年して徐々に売れ始めて、今では頻繁に問い合わせをいただくほどになってきてるんですよね。
口コミで情報が広がるまでに時間がかかったとも言えますが、タイミング的にクラッチが破損する人が増えてきてるのかもしれません。
いろんなリールのクラッチを作ってきましたが、今から思えば破損や劣化が目立つ機種のクラッチは良く売れたんですよね。
例えば01カルカッタ系のクラッチはもう20年近く前のモデルですが、リリースしてからSOLD OUTまで一番早かったですね(汗。
01系に関してはクラッチレバーのゴムが劣化するのと、構造上クラッチにガタ付きが出るという二重の要素があったからだと考えてます。
01カルカッタは部品のストックが終了(確か)してますから、選択肢がカスタムクラッチ以外無い訳ですしね。
生産中止のパーツを供給するのはカスタムパーツ屋にしかできないので、欲しい人の手に行き渡るように頑張りたいところです。
特にクラッチレバーって、それが無いとリールが使えないですから、意外と重要なんですよね。
現行モデルであっても新品のクラッチに交換しても、また破損の心配があるなら強度のある社外品に目が向くというのは自然な流れではないかと。
さいごに
最初にアブのクラッチを作ってから足掛け5年近くなるでしょうか。
ハンドルやキャップ類はすでにカスタムパーツやドレスアップパーツが世の中に沢山ありましたが、クラッチって本当に少なかったですし、今でも少ないですよね。
そして破損が原因でクラッチレバーを交換する場合、できるだけ早く交換用のパーツが欲しいでしょうから、簡単に買えるようにしておくのも大事です。
そういう意味では自分がクラッチを作る意義や意味が明確になり、モチベーションが上がります。
単にドレスアップや機能面の向上としてのパーツというだけでなく、実用的な面でも需要があるという事で、困ってる人の元に届けられるようにしたいですね。
以前作ったクラッチはHEDGEHOG STUDIOが販売先でしたが、今作ってるクラッチはkakedzuka design worksからの販売になります。
checkオフセットジュラルミンクラッチ
ただし取り扱いはHEDGEHOG STUDIOになります。そしてそれとは別に、直接クラッチのついたリールを触ってもらえる機会を作りたいと考えてます。
もちろんフィールドなどでお会いした際には自分のリールを触ってもらって全然OK、というかぜひ触ってみてください。
絶対欲しくなっちゃうと思いますけど、そこは自己責任でおねがいしますね(笑。
では。
『【クラッチレバーが割れる!?】SHIMANOベイトリールのクラッチが破損する原因と対策』をお読み頂きありがとうございます。
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