リールのカスタムパーツを作る仕事をしてるので、自分のリールはすべてフルカスタム済みなのです。
が、それって自分以外の人が使ったらかなり使い難いのかもしれない、というお話。
【ページへのいいねかツイッターフォローしてもらえると最新記事をお届けできます】
自分専用機
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカ(@kakedukzss)です。
ここ数年の自分はほとんど亀山ダムでしか釣りをしてません。なので手持ちのリールはすべて亀山ダム仕様にカスタムされてます。
ただし、亀山ダムを釣る時なら誰が使っても快適か?、と言うとそんな事は無く。むしろ使い難さを感じる人も少なからずいるでしょう。
例えば自分が一番気に入っているカスタムリール、SHIMANO12アルデバランBFS。
Avail製のスプールにハンドルとスタードラグ。マグネットブレーキシステムを組んでスプール重量を極限まで軽くしてあります。
そこにHEDGEHOG STUDIO製のAIRベアリングを搭載してるのですが、ベイトフィネスでカバーを撃つ以外に使うとピーキー過ぎて気を使うリールかも知れません。
リールカスタムは百人百色。自分以外の人にとってはノーマルより使い難い、ややこしいリールだと思うんですよね(笑。
意味の無いカスタム
ところで、リールカスタムパーツを作る今の仕事をはじめた頃、正直リールの構造やカスタムの意味を良く理解して無かったんです。
カラーパーツを着けて見た目が変わる事が一番のカスタムだと思ってたくらいですから(笑。
と言うのも、自分の亀山ダムでのメインスタイルはフリッピングで、クラッチを切る事が極端に少ないんですよ。
なのでカスタムリールを使う意味が無かったんです。リールカスタムパーツに一番遠い場所にいました(笑。
意味のあるカスタムとは
そんな自分でしたが、仕事で色々なリールを触るうちにカスタムの意味を少しずつ理解していきます。
意味のあるカスタムとは、結局タックルセッティングの延長なんですよね。
ちょっと壮大な話しになってしまいますがw、フィールドにバスが居て、そのバスを釣るためにルアーをセレクトしますよね。
そのルアーを使うためにタックルセッティングを詰めていく訳ですが、ラインのポンド数やフックの番手など、バランスを考えながら色々試す事になります。
リールカスタムはその内のひとつで、ルアーのウエイトに合ったスプールの選定、一日のキャスト数×年間釣行日数。
試合で一本獲るためのセッティングなのか、年間通して安定して使うためのセッティングなのか。
わかってくるとリールカスタムの面白さに目覚めて、色んな可能性を試したくなってくるんですよね。
適材適所
まだまだ経験値が足りないのですが、それでもやっとカスタムの恩恵に預かれるようになってきました。
例えば、普通は別のルアーに使うロッドに、適合範囲外の軽いルアーを背負わせたいという時。
リールのカスタムで無理やりそのルアーを使えるようにしてしまうとか(笑。本来のカスタムの趣旨からは外れてるかも知れませんが。
ベイトフィネスで使うようなロッドなら背負えるウエイトも、ロッドが硬くなるほどキャストの難易度は上がりますよね。
でもどうしてもそのルアーをそのラインで使いたい。そんな時にリールカスタムが活きてくるんだと思います。
硬くて強いロッドで軽量リグ
具体的に言うと、亀山ダムの浮きゴミにネコリグを投げて、隙間からフォールさせたい時。
ラインはPEラインの1~1.5号。ロッドは7フィートのMでエキストラファーストテーパーだったとします。
常識的に考えたら、相当キャストの難易度は高いと思われるのですが、カスタムリールを使うと思いのほか楽に投げられるんですよ。
通常ならベイトフィネス専用機じゃないと背負えないウエイトのリグでも、カスタムスプールに交換する事でキャストが可能になります。
ロッドとリールのバランスを考えた時に、ベイトフィネス機ではバランスが悪くなるロッドってあるんですよね。でも、どうしてもそのロッドとリールで軽いリグを投げたいとしたら。
そこで初めてリールカスタムという言葉が頭に浮かぶという訳です。
スモールプラグのキャスト
もうひとつ、リールカスタムが威力を発揮するのがスモールプラグのキャストです。
意外だと思われるかもしれませんが、じつは自分はモールプラグも結構好きなんです。一時期アメリカンクランクを中心に、ハードルアーばかり投げてた時期もあったんですよ。
その名残で今もスモールクランクを結構持ってるのですが、それらは昔ベイトタックルで投げるのは中々やりにくかったんですよね(苦笑。
それが今ではベイトフィネス機が充実してるので、あっさりキャストできてビックリしたものです(笑。
2017年にSHIMANOからリリースされた【17カルカッタコンクエストBFS】などは、巻物用のベイトフィネス専用機として注目を集めましたよね。
自分も実際に使わせてもらいましたが、たしかに小型シャッドなどを気持ち良くキャストできて感動でした。
ただ、新品であの値段ですから、一般的に中々買うのを躊躇してしまうのではないか、と(汗っ。
ならば手持ちのリールに浅溝のカスタムスプールを入れて、自分専用の巻物ベイトフィネス専用機を作った方が良いと思ってしまうのは自分だけでしょうか。
さいごに
自分が今回挙げたリールカスタムは、あくまでも自分が思う形でのカスタムです。これが例えば琵琶湖になれば全然カスタムの意味合いが違ってくるでしょうし。
ロングキャストなのか、耐久性なのか。軽量ルアーのキャストなのか、はたまた見た目なのか。
リールカスタムと一口に言っても、使い手によって無限の広がりがあると思います。
自分の思うカスタムが他の人にとってどうなのかわかりません。
でもカスタムパーツ製造業のオッサンとしては、「こうやるとこうなる」という参考値くらいは提供したいと考えてます。
それがこれからリールカスタムにトライする方のお役に立てれば嬉しいと思ってます。
そんなお話でした。
では。
● リールメンテナンスでEリングやストッパーリングを絶対に無くさないで外す方法
● 【リールメンテナンス】ベアリングにオイルを差す時に注意したい事
● ぶっちゃけ、リールメンテナンスってやった方が良いの?