リーツカスタムパーツ屋目線でシマノ01カルカッタコンクエストの分解から組み立てを解説します。
慣れれば誰にでもできる作業内容だと思うので、ぜひトライしてみてください。
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SHIMANO 01カルカッタコンクエスト100/101分解手順
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのかけづかです。
今でも愛用者が多いSHIMANO’01カルカッタコンクエストの分解組み立て手順を可能な限り詳細に解説したいと思います。
じつはこの度、以前より問い合わせが多かった01カルカッタ用オフセットクラッチをKDW製として復刻する事になりまして。
ただ、現行のカルカッタシリーズがビス一本で外せる仕様なのに対して、2013年より前のモデルはクラッチの取り外しにリールを分解する必要があります。
内部の構造がやや複雑なので、リールメンテナンス初心者の方には少し分解が難しいと思い、手順を記事にまとめる事にした訳です。
というか、自分自身まだ分解を完全にマスターしたとは言えず、自分のための備忘録的な意味もあって書いてるんですけどね(笑。
ひさしぶりにリールを分解する時もなるべく迷わなくて良いように、自分のためにも読者のためにも、なるべくわかりやすく説明したいと思います。
01カルカッタ分解に必要なもの
それでは分解手順を説明していきます。まずは作業に必要なものを紹介しますね。
用意するもの
ドライバー類(各部ネジに使用)
ボックスレンチ(#10 M8ナットをはずす際に使用)
パーツクリーナー(ホームセンターなどでも売ってます。
チェックSHIMANO01カルカッタコンクエスト100部品図
分解のついでに各部グリスアップやオイルをさしてやるとリールの調子が良くなると思いますのでぜひ。
01カルカッタ ハンドルまわりの分解から
それでは作業を開始していきたいと思います。まずはハンドルをはずしていきます。
01カルカッタのハンドルロックナット
画像は左ハンドルなのでネジは逆ネジです。なので時計まわりに回します。右ハンドルは正ネジなので反時計回しです。↓
四角ナットをはずしたら画像のカラー(平ワッシャー)とドラグワッシャーを抜き取ります。
続いてメカニカルノブキャップを外します。
そしてサイドカップを止めているマイナスのビス三ヶ所を外します。
本体を固定しているビスはすべて正ネジですので、反時計まわりに回すと緩みます。
この状態まできたらサイドカップを固定しているツマミを緩めます。
やっとサイドカップが外れました。
サイドカップ
それでは内部パーツを外していきたいと思いますがそのまえに、
サイドカップベアクラッチ部に画像のようなパーツが入っています。サイドカップを外した際に抜けてくる時もありますが、ベアリング内に入ったままになる事が多いです。これは外しておきます。
そして本体側のパーツで一番先にはずしておきたいのが画像にあるスプリング2個です。これを飛ばしてしまうと探すのも大変ですから気を付けてくださいね。
メインギヤ
さて、内部パーツを外していきます。(画像ではスプリングがまだ付いてますが気にしないでくださいね。)
まずはメインギヤからです。メインシャフトから順番に外していきますが、外した順番通りに並べていくと組み立ての際にわかりやすいかと思います。
続けてドラグシート?とクラッチ戻し板?を外していきます。ここまでは特に問題ないと思います。
続いてピニオンギヤ(だったかな?)を白い樹脂パーツごと抜きます。これは普通に抜けます。
そうしたらその下にあるビスを緩めます。これは正ネジなので反時計回りに緩めます。
クラッチ周り
いよいよクラッチ周りのパーツをバラしていきます。
ビスを紛失しないように気を付けてくださいね。
ビスを外すと画像のパーツが外れます。
ここからは特に気をつけて頂きたい部分です。マイナスドライバーなどを画像の部分に差し込んで外すのですが、指でしっかり支えながら(押し付ける感じ)
慎重に外します。スプリングなどを飛ばさばいように気をつけましょう。
この時スプリングが付いていたパーツはセットした状態で保管して置くことをお勧めします。
向きが決まっているので後でわからなくなってしまう事があります。
次にクラッチピンを引き上げる為のフック型プレートを外します。画像のように手前を浮かせてやると取れやすいです。
そうするとこのようなストッパーリング(E型リング)でクラッチピンが固定されてます。これを外すのが中々大変なんですね。
画像のように極小のマイナスドライバーなどでずらしてやれば外せるのですが、ここは慣れが必要で工具を傷めてしまったり本体を傷付けてしまったりするので本当に慎重に作業してくださいね。
そして黒い樹脂プレートを外します。
次なんですが、本体の反対側、スプールを外す時に開ける方ですね。こちらにあるEリングも外します。
これはギヤ側よりも小さく非常にやりにくい上に、どうしても傷が付いてしまうので覚悟を決めましょう。殆ど目立ちませんが。
また反対側に戻って頂いて、クラッチの下側のシャフトを抜きます。
これでやっとクラッチが外れました。
ここから組み立て
さて、やっとクラッチが外れたところまできましたね。ここからは新しいクラッチを取り付けていきます。
クラッチが当たる部分にある黒い樹脂プレートを忘れないようにしましょう。
新しいクラッチを軽く押さえながら最後に外したシャフトを差し込んでいきます。
シャフトを差し込んだらその上に黒い樹脂プレートで蓋をする感じですね。
そうしたらここで新しい部品です。専用のビスでクラッチを固定します。
ネジになっているので時計回りに締めこんでいきます。ここは緩めでOKです。
後で増し締めで調整できます。
ここで強くお勧めしたいのがねじのゆるみ止め接着剤です。
特にメーカーなどの指定はありませんが、永久固定ではなく、あくまでもゆるみ止め用が良いです。
画像にあるのは大きいサイズですが、チョッと探せば極少量のものがあるかと思います。
値段的には数百円かかりますが、ネジのゆるみがなくなりクラッチのガタツキが出ないのでお勧めです。
付けるのはほんの少量で大丈夫です。
クラッチと取り付けたら後は逆の手順で組んでいきます。
まずフック型プレートを乗せます。
そしてスプリングとセットの部品を乗せます。
外した際にそのままの向きで保管しておくとまた同じ向きで乗せるだけなので迷わなくて良いと思います。
さて、次に白い樹脂のパーツですが、これがチョッとコツがあります。
まずスプリングの付いた部品から出ているピンに樹脂パーツの穴を合わせてハメ込んでおきます。
そしてフック型プレートの口が開いた部分に樹脂パーツを合わせていきます。画像で左手人指し指が当たってるあたりです。
その二ヶ所を合わせながらスプールシャフトが出てる部分の段差?にハメ込んでやります。
01カルカッタコンクエストの組み立てでこの部分が一番難しいかもしれません。
その上からピンが二本出ている画像のパーツを止めていきます。
この状態でクラッチのON・OFFを確かめてください。
各部品が正しく取り付けられてないとクラッチがちゃんと動きません。
よくあるのはスプリングの向きが違ったり、スプリングが付いたパーツが溝から外れていたり、といったところです。
その後ピニオンギヤと別の白い樹脂パーツの組み合わせを同時にハメこんでやります。
ここも向きがあるので画像を参考にしてください。
後はメインシャフトにパーツを順番に入れていきます。
メインギヤまで入ったでしょうか。
二個のスプリングをセットして…
ここで画像のパーツをセットしてしまいます。
後でも良いのですが、向きがあるのでこの時点で入れてしまうのが良いと思います。
こんな感じでセットしてしまいましょう。
あとはサイドプレートをかぶせていきます。
この状態になったら手で押さえながら反対側のカップを固定するツマミを締めこんでおけば一安心です。
クラッチ交換もいよいよ大詰めです。前回で両側のカップを固定したので残りのパーツを組んで完成まで持っていきたいと思います。
その前に、前回サイドカップを固定用のツマミを締めておいただけにしてありますが、この状態で数時間放置しておく事をお勧めします。
これはネジのゆるみ止め用接着剤が乾燥するまで待ってから組み上げないと、また途中までバラさないといけなくなるからです。
時間にして2~3時間で実用強度に達すると思われますが、早く組みたい気持ちをグッと我慢して何か違う事でもしてましょう。
適当に時間がたったらネジを調整してやります。ゆるみ止め用といっても結構堅くなります。特に最初は固着しているかのように堅いのでマイナスドライバーをネジの頭に押し付けながら調整しましょう。
クラッチの堅さは好みで良いと思いますが、ゆるみ止め接着剤を着けておけば乾燥してから回してもゆるむ事はないのでややゆるめに調整してやると良いと思います。
ハンドル周り
外側にハマるベアリングをセットします。
これは特に向きはありません。
次にドラグワッシャーを入れていきます。
これも向きは気にした事はありませんが、気になる方は分解図などを調べてもらうと良いかもしれません。
そして押さえ用ワッシャー?を入れます。
向きは無いと思いますが、ツヤの出てる方が見える側だと思います。ドラグが滑った時に摩擦で磨かれてるんだと思います。
そして四角ワッシャーを入れます。
これは画像のようにスプリングの受け(溝)がある方が表になります。左ハンドルは逆ネジですから反時計回りで締まります。
ここは出来るだけ締めこんでおきましょう。手でできる範囲で大丈夫だと思います。
ここでサイドカップを固定するビスを三箇所締めていきます。
一番長いビスがハンドルの下の位置にきます。
その後スプリングを入れます。
溝に座るようになってます。
その上からスタードラグをハメ込んでいきます。
ここも少しコツがありまして、押さえながら回してやるとジャストにハマるところが見つかる筈です。
隙間が無くピッタリハマるようにセットしてください。
そうしたらハンドルをセットしてロックナットをめます。
これも逆ネジなので反時計回りに締めていきます。
最後にロックプレートがキチンとハマる位置までナットを回して調整します。
ビスで固定して完成です。
如何でしたか?このタイプのカルカッタは結構クラッチ交換が大変なのですが、一度バラすとリールの構造が理解できておもしろいですよね。
[…] 欠塚さんのブログよりお借りしています […]
[…] 欠塚さんはクラッチ交換手順をホームページにて解説して頂いてますし、 […]
[…] 取り付け方法は、カケヅカさんのこちらのページを見ながら作業しました。 […]