先日スティーズAIRを少し使ってみて、「ベイトフィネス用リールはここまできたか」と衝撃を受けました。
その上で、ここ数年で自分の中にベイトフィネスという概念が消えつつあるので、そのあたりの話をダラダラ書いてみたいと思います。
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ベイトフィネスの線引きが曖昧になってきた
こんにちは、ほぼフリッパーのかけづかです。
自分のバス釣りの中で「これはベイトフィネス」「これはベイトフィネスじゃない」という線引きがほとんどなくなってきてまして。例えば0.9gのネイルシンカーを入れたネコリグも、時と場合によっては全然ベイトフィネスじゃなかったり。
単純に快適にキャストするために、結果的にベイトフィネスリールと言われる機種をチョイスするだけというか。でもただ軽いものを投げるためだけにベイトフィネス専用機を選ぶ訳じゃないというか。
自分の場合はベイトタックルで扱うルアーの重量は落としても5gぐらいです。それ以下は使わないか、素直にスピニングタックルにします。最近では極端に軽いノーシンカーなどは(腕が無いので)精度が出ないので使いません。
逆にそれなりに重めのリグをベイトフィネス機で扱ったりもしますね。
そうなると、”その時使いたいルアーやリグに合わせて適当だと思われるリールを手持ちの機種の中から選ぶだけ”になってきたという感じでしょうか。
PEラインの使用率がアップした事の影響
過去記事に書いてますが、ベイトリールにはPEラインが相性良いです。ライン自体が軽いのでスプールの立ち上がりが格段に良くなるんですよ。
PEラインのメリットデメリットについての説明はここでは割愛させてもらいますが、軽量ルアーのキャストにおいては非常にメリットの大きな選択だと思います。
自分はほとんどの撃ちモノ用リールにPEラインを使用していて、最近では愛竿ハリアー80でもPEラインを使ったリグをフリップしてるぐらいですから。
PEラインを使う事でこれまで普通にバーサタイル機種だと思ってたリールが、スプール径が1段下のリールに近づくと思ってもらえるとわかりやすいかと。
具体的に言うと、SHIMANOだったらメタニウム系にPEラインを巻く事でノーマルのアルデバランにかなり近づく感じです。
さらにアルデバランにPEラインを巻く事でもっと下の径のスプールを使ってるように感じる事でしょう。
先日戸面原ダムで、釣り仲間の亀山虫太郎さんに自分のカスタム16ALDEBARAN BFS XG(PEライン仕様)を使ってもらったところ、ノーマルと全然違うフィーリングにビックリしてましたからね。
虫太郎さんナイスフィッシュをゲット‼️
レンタルしてもらってるフルカスタムの16アルデバランBFSがメチャクチャ気に入ってくれたみたい(^o^) pic.twitter.com/Qdk2PWQOTx— かけづか:クラッチ屋KDW代表 (@kakedukaSS) July 24, 2020
ちなみにその日はそのリールを使ってメチャクチャに釣ってました。
あまりにも気に入ったみたいなので、少しの間レンタルする事にしました。これでまた一人カスタム沼にハメてしまったようです(笑。
スティーズAIRという異次元
話は変わりますが、2019年にリリースされたスティーズAIRというリールを使ってみて衝撃を受けました。ベイトフィネス専用機はここまできたかと。
じつはスティーズAIRについては最初全く興味がなかったんです。訳あってHEDGEHOG STUDIOから一台譲り受けたのですが、手元にあるにも関わらず全然使ってませんでした。
やっと重い腰を上げて先日の戸面原ダムに持っていったのですが、そこでも夕方近くまで使うのを忘れてたぐらい興味が薄いリールだったんですよね(笑。
その日は久しぶりに数が釣れて、まあまあ納得だったので仕方なくという感じ(謎)でスティーズAIRのインプレをしてみたのですが、最初の1投でハッキリと違いを体感しました。
とにかく軽いルアーがストレスなくスーっと飛ぶんですよね。軽いキャストでも低弾道で、しかもトラブルレスなのにはビックリしました。
これまでも新しいベイトフィネス機が登場するたびにビックリしてきましたが、今回の進化にもやられました。本当に凄い。
キャスタビリティーだけなら現行のベイトフィネス機でダントツの性能と言い切れます。おそらくこれ以上のリールはしばらく出ないのではないかと。
スティーズAIRといえばスプール径28mmと、16アルデバランBFS XGの32mmより径で4mmも小さくなってます。やはり軽いものを快適に投げるにはスプール径がものを言うんだと再確認しました。
スティーズAIR以外のベイトフィネス機は要らないのか
軽いルアーを快適にキャストするならスティーズAIR一択、それ以外は必要ないとさえ思ってしまうのですが、では手持ちの16アルデバランBFS XGやAbu16Revo LTX-BF8は今後使わなくなってしまうのかというと、決してそんな事はなく。
あくまでも”軽量ルアーのキャスト”に限ってはスティーズAIRが最強ですが、それで終わりでは無い、バス釣りはそんな単純なものではありません。
投げるだけで終わりじゃないから世の中にこんなにリールの種類がある訳で(笑。
記事の最初に書いた、ベイトフィネスという線引きが曖昧になってきたからこそ、ある意味中途半端なリールの立ち位置がハッキリしてくるんですよね。
まあ16アルデバランBFS XGやAbu16Revo LTX-BF8が中途半端に思えてしまうスティーズAIRが凄すぎるんですけど(笑。
ベイトフィネスっぽく使いたいリールの使い分け
正直ベイトフィネスの定義が良くわからないのですが、自分が勝手に決めたベイトフィネスっぽい釣りと使うリールは以下になります。
①OSPドライブクローラー4.5✕0.9gネイルシンカー(総重量約5g)
Abu16Revo LTX-BF8✕PEライン1号リーダーフロロ14ポンド
②ドライブビーバー3リーダーレスダウンショット(2.6gシンカー総重量約7.6g)
SHIMANO16アルデバランBFS XG✕PEライン1号リーダーフロロ14ポンド
③スタッガーワイド3.3インチリーダーレスダウンショット(3.5gシンカー総重量約10g)
SHIMANO16メタニウムMGL✕PEライン1.5号リーダーフロロ14~16ポンド
リールは全てAvail製マイクロキャストスプール搭載で、ほとんどフルカスタム。
3種類の中でスタッガーワイドのリーダーレスダウンショットは、重量的に32mm径スプールでやるほどではないので16メタニウムMGLを使ってます
形や動き・釣り方は3種類とも違いますが、共通してるのは3つ共にカバーで使うという事ですね。もちろんこれ以外にもベイトフィネスっぽいルアーやリグはやりますが、とりあえず今はこれを軸にお話したい。
自分の中では固定された使い方になっている3種類ですが、ここにスティーズAIRをどう使っていくのか…。
軽いものを投げるだけがベイトフィネスじゃない
さて、自分のホームである亀山ダムのカバーで使っているベイトフィネスっぽい3種類のリグですが、大事な事はキャスタビリティーが全てでは無いという事。
カバーで使う以上それなりの巻きあげトルクが求められます。自分が使うベイトフィネス機は基本的にエクストラハイギヤで、そこにノーマルよりロングハンドルを装着して使います。
カバーの奥の奥でそれなりのサイズのバスを掛けたら、リールへの負荷は結構なものなので、あまり華奢なリールだと心配ですよね。
軽いものをキャストするならスプール径は小さい方が良いですが、その分巻き上げトルクはどうしても弱くなる訳で。そこにロングハンドル化すれば巻き上げスピードはさらに落ちるという。
そうなるとキャスタビリティーを多少犠牲にしてもスプール径の大きいリールの方が巻き上げトルクは強く、巻き上げスピードも早くできる訳で、カバーで使うにはそのバランスの取れた機種をチョイスしたいと。
何かを特化させれば何かは犠牲になる。キャスタビリティーと巻き上げはトレードオフの関係にあるんですよね。
それを理解した上で自分のやり方に合ったリールをチョイスできれば良いんだと思います。
かけづか的まとめ
そんな訳で、ザックリ使い訳をまとめますと、カバーでのフルフッキングからの巻き上げトルクを重視するなら、ズバリ16アルデバランBFS XGカスタムが最強だと思ってます。
軽いルアーやリグを快適にキャストするならスティーズAIR。その中間でバランスが良いのがAbu16Revo LTX-BF8カスタムと言った感じでしょうか。
あくまでも現在の自分の手持ちリールの中での話ですが。
つまり、
カバーでの剛性重視=16アルデバランBFS XGカスタム
軽いルアーのキャスト重視=スティーズAIR(ノーマル)
カバーでの総合的なバランス=Abu16Revo LTX-BF8カスタム
総重量10g以上のルアーまたはリグ=16メタニウムMGLカスタム
というのが自分のアンサーです。
ここに巻物というジャンルを考えると、17CALCUTTA CONQUEST BFSという選択が入ってくるのですが、それはまた別の記事でお話したいと思います。今回はカバー絡みを釣る前提でお話しました。
それにしてもリールの性能が進化しすぎて、本当にベイトフィネスというのが何なのかわからなくなります(笑。DAIWAのキャストに振り切ったモデルであるスティーズAIRを使ってみて強く感じました。
これからもっとスティーズAIRを使いこんでみて、キャストだけじゃなく剛性や巻き上げトルクも最高峰だと感じたら、もはやこれを超えるリールは無いと思います。まあ28mmというスプール径は諸刃の剣だと思ってますけどね。
構造的にどうやっても巻取りスピードは上がらないし、小さいスプールでは巻き上げトルクは弱いはず。そこをカスタムで無理させればリールの寿命をどんどん縮めるだけですし。
リールは道具なので壊れたら買い換えれば良いだけなんだけど、お値段がお値段ですからね(苦笑。
そんな訳で”ベイトフィネス(っぽい)をやるのに最適なリールは一概に決められない”という事かと。スプール径が小さいほどベイトフィネス向きとは限らないというお話でした。
そもそもスティーズAIRをベイトフィネス専用機と考える事がちょっともったいないのかもしれないですね。
もはやスピニングタックルを超えた超手返しの良いスーパーフィネスリールという位置づけで良いのかもしれないですね。
もしかしたら2021年にはSHIMANOもアルデバランを小経スプール&コアソリッドで出してくるかもしれないですし、そうなったらもう…。
とにかく市場に沢山のリールがあって、好きなものを選べる事は楽しいですね。
そこにカスタムという選択肢を合わせて、自分の好みのリールになれば最高だと思います。
では。