2019年1月リライト
かつてベイトフィネスがあればパワーフィネスは必要ないと豪語していた自分ですが、あまりの手駒の少なさにスピニングタックルによるカバー撃ちを導入した2018年。
それから一年、これまでやってみた自分のパワーフィネスとベイトフィネスの使い分けについて書いてみたいと思います。
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パワーフィネスは暴力的
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカ(@kakedukzss)です。
以前までパワーフィネス不要論者だった自分ですが、フリップのみのスタイルに限界を感じてついにスピニングタックルでのカバー撃ちを導入したのが2018年の春。
かつて
「強いスピニングタックルで軽いルアーを扱えるなら、無理してベイトフィネスをする必要は無いのではないか」、という意見は真っ向から否定させて頂きます。
と、思いっきりパワーフィネスを否定してた訳ですが、2018年もっとも魚を手にしたのはドライブクローラーのネコリグで、それがスピニングタックルだったんですよね(苦笑。
でもね…込み入ったカバーで使うと難しいんですよ…。
いや、釣れますパワーフィネス。というかカバーでの魚の反応はすごくありますが、自分の場合バラしが多いんですよね。
それがどうもロッドが自分のスタイルに合ってないんじゃないかと、ついにベイトロッドをリビルドしたパワーフィネスロッドを自作してしまいましたから(笑。
それほどにカバーでのネコリグは強引なやりとりが求められるというか、まさに暴力的にフッキングを決めてカバーから引きずり出さないとダメだと感じてます。
もっとゆるふわな釣りをイメージしてたんですが、パワーフィネスはフリップに負けず劣らず無茶な釣りです。
でもあきらかにベイトフィネスの方が手返しが良いというのはあるんですよね。
キャスト精度はベイトフィネス
よく言われるのが、「キャスト精度はベイトタックルの方がスピニングタックルより出しやすい」、と言う意見。これは絶対に正義なんですが、自分の場合それよりも大事な要素が別にあります。
それはもう構造上の問題で、スピニングタックルを扱う際には両手を使わなければいけない、という事。
スピニングリールの構造上、必ずベールを起こしてラインを押さえて、キャスト後にハンドルを巻くなりベールを戻すという動作を両手で行わなければならないですよね。
それがベイトタックルなら、キャストからルアーの回収までを何とか片手で成立させられるんですよ。これが大きい。
クラッチを切ってピッチングをして、パーミングをしてる方の手でスタードラグを回せばクラッチを戻せるし、そのままスタードラグを回す事でルアーも回収できます。
チェックリザーバーのカバー撃ちに絶対必要な 【Availヘキサゴナルスタードラグ】
もちろんフルキャストしたルアーを片手で回収するのは大変ですが、自分のようにカバーに超接近して狙うスタイルなら全然アリですからね。
この超接近戦で良くやるのが、片方の手でブッシュなり木の枝を掴んだままカバーにアプローチするんです。
その時はさすがにスピニングタックルではどうしようもないんですよね(笑。
自分がベイトフィネスが絶対必要な理由はこれです!
そう言えば2018にSHIMANOから18アルデバランMGLが出るのは、こうしたリザーバーでの糸巻き量の問題も加味されてるようですね。
房総半島で続けざまにバス釣りフィールドが開放されてますし、18バンタムMGLの影で意外と売れ行きを伸ばすかもしれませんね。
パワーフィネスでないとダメな理由
「ならベイトフィネスだけで、スピニングタックルでのカバー撃ちは必要ないのでは?」、と思われるでしょうか。
最初は自分も本気でそう思ってたんですが、ところがどっこい、最近ではそうもいかなくなってきてまして(汗っ。
その理由としては、亀山ダムで絶対的に外せないカバーネコと呼ばれるメソッドにあります。
亀山ダムに通い込んでいるローカルの強豪選手は軒並みスピニングタックルを使ったパワーフィネスを得意としてるのですが、ベイトフィネスではダメな理由があるようなんですよね。
自分もなんとなくわかってきたのですが、細目のPEラインに軽いネコリグの組み合わせだと、カバーを抜けた後のフリーフォールに差が出るように感じてます。
いくら軽いリグを飛ばせる高性能のベイトフィネス専用タックルでも、軽いリグをフリーフォールさせるにはスピニングタックルには適わないんですよね。
食いが立ってたり、風や波が強い状況ならシンカーを重くしてベイトフィネスでも良いのですが、というかむしろベイトフィネスでないと無理なんですが。
無風のタフな状況ではより軽いワームを細いPEラインでフリーフォールさせられるスピニングでのパワーフィネスが絶対に有利なんだと思います。
パワーフィネスでもベイトフィネスでも良いケース
ではスピニングとベイトの選択に迷う場合はどうするのか? これはより得意な釣り方で良いのではないかと。
たとえば適度に風があって、薄いカバーに対して狙っていく場合はどうなのかというと、これはもうパワーフィネスでもベイトフィネスでもかまわないと思います(笑。
使い慣れた好きな方で狙うのが良いのでは無いですかね。自分ならベイトフィネスになります。
具体的にはシャローのアシ際などはベイトフィネスの方が手返しが早く精度が高いキャストができますが、パワーフィネスでもできなくは無いでしょう。
逆に水深のあるカバーに軽いリグを落とし込んでいく場合はスピニングタックルの方が自然なフォールをさせやすいですが、ベイトフィネスでもやれなくは無いでしょう。
適材適所で持ち帰れば一番良いのかもしれませんが、釣りはリズムが大事ですから、ひとつ使い慣れたタックルを使い続けた方が繊細なバイトを取れたりするものですよね。
どうしてもベイトフィネスまたはパワーフィネスでないとダメという場合でなければ、基本好きな方を通して使うのがリズム的に良いと思います。
パワーフィネスでもベイトフィネスでもダメなケース
ベイトフィネスもパワーフィネスも、使いこなせれば比較的魚にさわりやすいタックルですが、もちろん両方とも活きないケースも多々あります。
たとえば自分の大好きなカバーフリップなどは、これ以外で取れる方法が無いというくらい特殊な釣り方でしょう。
自分で言うのも何ですが、ほとんど陸と見分けのつかない所を狙ったりしますからね(実際陸をフリップしてた事も多々あります(爆。)
それとブッシュをまたいでアプローチする場合などはロッドの長さとパワーから言って、フリッピングロッド以外の選択肢は無いですね。
自分の場合フリッピングロッドありきで無茶苦茶なアプローチをしてるとも言えるのですが(笑。
まあカバーを狙うんじゃなければベイトフィネスでもパワーフィネスでも無くて良い訳ですし、やはりバス釣りは多様ですね。
でもリザーバーならではの理由でパワーフィネスが活躍するシチュエーションはあるんです。
パワーフィネスの優位性その1【壁ドン】
では「パワーフィネスがベイトフィネスより勝ってる部分とは?」となった時にフォールとアクションが全然違うと感じてます。
スピニングタックルは特性上ラインをフリーで放出しやすいのですが、これが単純に垂直に落としやすい。
じつはこれ、リザーバーでよくやる壁ドンの時にあきらかな差が出るんです。
壁ドンとは一度リグを岩盤に当ててからフォールさせるアプローチの事で、亀山ダムなどでは普通に誰もがやってると思います。それをベイトタックルでやりにくいのは想像に難しくないですよね。
ベイトフィネスがいくら進化して軽いリグをキャストしやすくなっても、着水後のライン放出はどうしても手でラインを引き出してやる必要があります。
でも壁ドンのような着水後の自然なワームの動きが大事な釣りでは、ラインテンションが少しでもかかるとバスに見切られてしまうように感じてます。
実際にベイトフィネスで壁ドンをして釣れた記憶はありません。というか、単純にスピニングタックルがやりやすい(笑。
パワーフィネスの優位性その2【ラインの暴れ】
そしてもうひとつ、自分から少し離れたところでリグを動かした時に、ベイトロッドとスピニングロッドではアクションが別物になってるように感じる事が多々あったんですよね。
自分はカバーに対してかなり接近してアプローチするのですが、それでも軽いリグをシェイクさせた時にあきらかに差が出ると実感しました。
おそらくラインの暴れ具合というか、自分では同じように動かしてるつもりでも水の中のルアーは微妙に違う動きをしてるんだと思います。
実際同じドライブクローラーで同じライン、同じシンカーに同じフックで同じ場所にアプローチしても、スピニングタックルの時だけアタリが出る事が多くありました。
これはもう、何か決定的な違いがあるんだろうと確信してます。その『何か』がハッキリわかってないんですけどね(笑。
ベイトフィネスは必要ない?
ではベイトフィネスは必要ないのかというと、決してそんな事はなく。
パワーフィネスとベイトフィネスについて、これまでの経験から、絶対に両方必要だと思う自分の考えを書いてみたいと思います。
自分が考えるベイトフィネスはスピニングの代用ではなく、どうしてもベイトタックルじゃないと成立しないものだったからです。
自分のホームレイクは千葉県房総半島にある亀山ダムというリザーバーで、湖岸線をカバーに覆い尽くされてると言っても過言ではないほどオーバーハングやブッシュカバーが豊富なフィールドです。
そしてリザーバーという事で、岸からすぐの場所がいきなり水深10m以上あったりする典型的なダム湖なんですよ。
ベイトフィネスとパワーフィネスを使い分ける必要があるのはフィールドの特性と大きく関係してるのですが、その部分を考えてみたいと思います。
ベイトフィネスでないとダメな理由
去年の試合でベイトフィネスに変えたら急に釣れ始めるという経験をしました。ほんとに連続ヒットで怒涛のリミットメイクだったんです。
その時は朝からずっとパワーフィネスでのネコリグをカバーに撃ってたんですが、バラし連発で全然キャッチできてなかったんです。
あまりのバラしに逆ギレして、カバーに船を乗せてバーチカルで落とし込んでみたら急にバラさなくなりまして(笑。
リグやワームをチェンジしまくってたので、なにが良かったのかイマイチ把握してないんですが、一番大きく変えたのはボートポジションとタックルだったんですよね。
ちょっと強めのロッドに変えて、ラインを張った状態でのバーチカルシェイクが良かったのかもしれません。
その時はスピニングタックルよりもベイトタックルの方がダイレクト感があったというか、シャープさがあったように思います。ふわっとした表現ですんません。
春からずっとパワーフィネスでしか釣れてなかったカバーでのネコリグが、その時はベイトフィネスでしか釣れなかったんですよね。
PFとBF使い分けの分岐点
ではパワーフィネスとベイトフィネスの使い分けはどう判断したら良いのでしょうか。その分岐点については今も悩み中です
カケヅカ的まとめ
ここまでの話をまとめますと、
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カバーに超接近して片手でのアプローチなら絶対ベイトフィネス
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水深のあるカバーに対して細いPEラインで自然なフォールをさせたいなら絶対パワーフィネス
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風があったりして食いが立ってる条件なら得意な方で
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通常のアプローチでは取れないようなヘビーカバーではどちらも機能しない
と言った感じでしょうか。
他のフィールドではわかりませんが、少なくとも亀山ダムでの自分のスタイルにはベイトフィネスもパワーフィネスも必要だと考えてます。
今期はフリッピングの釣り残しをベイトフィネスとパワーフィネスでしっかり獲っていこうと思ってます。
では。