19アンタレスの質感に合わせてクロームメッキ仕上げのクラッチを作ってみました。
これが思った以上の完成度で自分でもビックリしてます。
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19アンタレスに合わせてクローム鏡面仕上げのオフセットクラッチ
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカです。
19アンタレスの鏡面に合わせてクロームメッキ処理をしたクラッチを作ってみたのですが、なんとも艶めかしい仕上がりになりました。
素材はジュラルミン、色々と下処理をしてクロームメッキを付けてもらったんですが、思った以上にアンタレスになりビビってます(謎)。
このクロームメッキですが、じつはただの鏡面ではなくて、色合いを微妙に調整するんですよ。
主に黄色から青へのグラデーションの調整なんですが、19アンタレスは青に近いシルバーの鏡面という事で、下地から色々打ち合わせをして加工してもらいました。
メッキ業者さんは自社の技術にかなりの自信があるようで、こちらの細かい要望を説明した後は任せて欲しいとの事だったので、こちらで出来る下処理をした後は待つだけだったんです。
そして出来上がってきた製品を見た時に一瞬ゴクリとつばを飲みました。
なんという妖艶な艶めき‼️
出来上がったクラッチをセットした時はまるで液体のような質感で、かつての映画『ターミネーター2』に出てきた適役T1000を連想してしまいました(笑。
ブランキング(肉抜き)加工のクラッチ
今回のクラッチのもう一つの特徴が肉抜き加工です。指が当たる面に長穴を3列設けました。
これについて機能は当初まったく考えてなくて、単なる見た目がそれっぽくなれば良いかなと思ってたんですよね(笑。
それがフォロワーさんから色々意見を頂き、「雨の日に滑り防止の役目を果たしてるんですよね?」的な事を言われまして。
「そうなんですよー」みたいに答えておきました(爆。
いやいや、言われてみればそんな感じで指が引っかかって良いのかもしれません。
まあ機能的な事はちょっと置いておいて、じつは結構穴を設けるのは大変でした。
いくらジュラルミン(アルミ合金)とはいえ肉圧が薄い部分に長穴を空けるので、削った後の表面処理ができなくなってしまったんです。
マシニングセンタで削った後にバレル研磨をするのですが、その時に研磨材である石がぶつかって変形してしまうんですよ。
そうなると加工の手順を見直さなくてはならなくて、一度穴が無い状態まで削った後にバレル研磨をして、そのあと改めて穴を加工するんです。
そしてそのあと鏡面にするためのバフ研磨をして、メッキを付ける訳ですね。
ちなみにメッキをする下処理として銅を付けてからクロームを付けるんですよ。専門用語で銅下を付けると言います。
有限会社欠塚製作所ではかつて仏具を作ってた事があったので、その知識が活きました。
右ハンドルモデルは工程をミスりまして、全数を手でヤスリがけしてエッジを丸くしたというのは内緒ですが(爆。
クロームメッキを付けるまで
ジュラルミンのパーツにクロームメッキをつけるのは初めての事だったので、加工をしてくれる業者さんを探すところからスタートでした。
新潟あたりには沢山業者さんがいるのですが、そこまで打ち合わせに行くのが大変なので、なんとか地元に近いところにないものかと。
以前付き合いがあった業者さんはアルミにクロームメッキを付ける設備もノウハウもなかったんですよね。
ネットで探しては連絡して、やり取りをするのですが、イマイチ話が噛み合わず(苦笑。
「これは全国的に探さないとダメかも」と思ってたところに運良く車で行ける範囲に業者さんが見つかりまして。
さらにその会社がアルミにクロームを付けるノウハウをかなり持ってたんですよ。これは中々奇跡的でした。
社長も自信をもって任せて欲しいとの事だったので、不思議と安心してお任せしたんです。
そして上がってきたのが今回のクラッチでした。もう本当に質感が気持ち悪いぐらいヌメヌメしてて(良い意味ですw)。
一発で気に入ってしまいました。
極厚クローム
ちょっと専門的な事になりますが、今回のクラッチのクロームメッキはかなり厚くつけてもらいました。
通常クロームメッキの厚みは3/1000mmほどですが、このクラッチは1/100mmと極厚。
1/100mmという厚みはメッキにしては異常と言えるほど厚いです。これだけ厚く付けれると普通は歪みや撓みが出て、下手すると加工の途中で剥げてしまったりするんですよね。
それが下処理をしっかりやる事や液に付ける時間など、メッキ業者さんの長年のノウハウで強固なメッキを綺麗に付ける事が可能になったとのこと。
クロームを厚く付けるメリットは強度だけではなく、クロームに深みを出す事です。
見てもらえばわかりますが、青みがかった深みのあるクロームに仕上がってますよね。これだけ厚いと表面のちょっとした凹凸も消してしまうので、曲面が際立って綺麗に仕上がってるんですよ。
そして厚いという事は耐久性も高いので、水辺での使用において経年劣化を大幅に遅らせる事ができると思います。
自分が金属加工業を長くやってきて、これだけ気持ち悪いクロームは中々見たことが無いですね(良い意味ですw)。
最後に
モノづくりをしていると、たまに自分の想像をはるかに超える仕上がりのものができてしまう事があります。
今回のクラッチはなんとなくクロームメッキで仕上げたいと思って進めてきましたが、最終的にこんな凄いクオリティーになるとは思ってませんでした。
まあ使用感においてはアルマイトのものと変わらないとは思います。肉抜きしてあるので多少すべり止になってるぐらいでしょうか。
ただ見た目においては19アンタレスとのマッチングが凄いです(小並感)。
釣果への直接的な影響は無いかもしれませんが、メンタル的にはかなり影響すると思いますので、19アンタレスユーザーの方にはぜひ手にとって頂きたいと思います。
と言う自画自賛の自己満足をタラタラと書かせてもらいました(笑。
では。
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