イキったタイトルになってしまってごめんなさい。
でもどうしても思う事があるので書いてみます。
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リールカスタムパーツは高いのか
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカです。
すみません、買う側の人には何の落ち度も無いですが、作り手としての愚痴を聞いてください。
リールのカスタムパーツを作っていて良く聞かれる事なんですが、「なんでそんなに高いんですか」「もっと安価なものも作ってください」と。
その人達がなぜそう感じるのか考えてみると、その答えはその人にとって”必要ないもの”だと感じてるからではないでしょうか。
高いから買えないのではなく、その金額を出す価値が無いと判断してる訳ですよね。
偉そうな言い方でごめんなさい。でも考えてみて欲しいのですが、これまでの人生で最も高い買い物ってなんでしたか?
ある人は車だったり、ある人は腕時計かもしれません。自分は家ですね。マイホーム。
でも「家に比べたらカスタムパーツなんて安いもんだろう」などと言うつもりは毛頭ありません。そう言う事が言いたいのでは無く。
今の自宅兼工場の前の住まいは東日本大震災で半壊して、家族7人で住むには無理がありました。
仮住まいの時に銀行と交渉して何とか住宅ローンが組めて、注文住宅を建てる事が出来たのですが、大借金を背負う事になったんですよ。
「もっと頭金を貯めて楽な返済が出来るようになってから買えば良いのに」と思われるでしょうか。なんでそんなに無理をしてまで建てたのか? 必要だと感じたからです。
人って心の底から必要だと思ったものは何とかして手に入れようと思うのではないでしょうか。
釣りをするには道具が必要
このブログを読んでくれる人は釣りに興味がある人ですよね。その多くはブラックバス釣りが好きな人だと思います。
そして少なからず釣りをするための道具を所有してると思います。ロッドとリールとルアーを持ってない人はいないのではないでしょうか。
収入などは人それぞれ違いますが、バス釣りをする上でロッドとリールは最低限1セット自腹で購入したはずです。
それは必要だと感じたからですよね。タックルがなければ釣りができないですから。
自分は釣りのキャリアが(無駄に)長いので、なんだかんだ沢山買いました。
結婚してバス釣りをお休みした時期がありまして、その時に手持ちの多くのタックルやルアーを処分してしまったのですが、釣りを再開してから無意識に買いまくってまた多くのタックルやルアーに囲まれてます
そのほとんどは使用頻度の低いものなんですが、買ったその時は必要だと思ったんですよね。どうしても欲しかったんです。
どうしても欲しいものは必要なものだという考えです、自分の場合。
悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ
『悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ』という格言があります。
仮に、使えば絶対に釣れるルアーがあったとします。一個1万円したとして、さて買いますか買いませんか?
これは人によって答えが違うかもしれませんが、一つ言えるのは必要だと判断した人は迷わず買うという事です。例えば生活の掛かっているバスプロの人だったら即決で買うでしょう。
一万円という値段が高いから買わないという選択肢はありえない。だって使えば釣れるんだから。自分が買わずに他のプロが全員使ってたら勝負にならないですよね。
まあ実際はそんなルアーは無い訳で、こんな話しはナンセンスな訳ですが、ここで即答で買うと答えた人は良く釣る人なんじゃないかと推測します。
釣れる可能性が高まる方法に対して投資ができる人。むしろ値段が高いから、躊躇して買わない人がいたらチャンスだと思える人。
特にトーナメントで釣りをする人は値段で買う買わないを判断しない気がします。
釣るために何をするのか
ハッキリと断言しますが、魚を釣りたいからカスタムパーツを買うんですよね。
カスタムパーツが高いから買わないという人に聞きたいのですが、安かったら買うでしょうか。買った先に何が見えるでしょうか。
例えばカスタムスプール。市場の相場は大体1万円~2万円ぐらいだと思います。
今どきの最新リールは性能が良く、カスタムスプールを入れなくても十分使えると思います。でも一昔まえのリールなら、カスタムスプールを入れる事で劇的に性能がアップする機種も少なくありません。
今までより快適にキャストできてブレーキも良く効くようになるカスタムスプールを入れれば、集中力が切れかけた状況でもピンポイントに決まる確率が高くなります。
カスタムスプールを入れれば釣果に直結するとは限りませんが、機種によってはより快適に釣りができるようになるのは間違いないでしょう。
カスタムスプールが無くても釣りは出来ます。それで投げられないルアーは使わなければ良いだけです。
でもそれを使った方が釣れる可能性が高まると自分が確信していたらどうでしょう。もう欲しくてしょうがなくなりませんか。
その時値段を考えて躊躇するかもしれませんが、本当に必要だと思ったものは自分なら買ってしまいます。
それはお金に余裕がある訳ではなく、優先順位が上なだけですね。それを買うために他のものを削るだけです。
ホームセンターにドリルを買いに来た客
《ホームセンターに電動ドリルを買いに来た客は何を求めてるのか》という話を何かで見た事があるでしょうか。
詳しい事は割愛しますが、このお客は電動ドリルが欲しいのではなく『穴』を開けたい訳です。
ではカスタムスプールが欲しい釣り人は何がしたいのか。それは心地よいキャストフィールが欲しい訳ですよね。
スプールの値段が高い(と感じる)から買わないのであれば、そこまでしてキャストフィールを良くする理由が見つからないという事でしょう。
そしてそれは価値であり、そのキャストフィールにお金を出す価値があるのかどうか迷うんだと思います。
キャストの技術を道具で補うために高い道具を買うのはあくまでも手段。
カスタムスプールは買わずに、人よりメチャクチャ練習して手持ちのタックルでキャスト精度を上げるか。
人より一生懸命働いてお金を貯めて、あるいは他の買いたいものを我慢してカスタムスプールを買うか。
どちらも魚を釣るための手段ですよね。
原価が安いと価値はないのか
さて、「じゃあ実際のところカスタムパーツの値段設定ってどうなん?」と思われるでしょうか。
「もっと安く作れるのに、価値がどうとか言ってボッタくってるんじゃね?」とも(笑。
過去記事でモノづくりと原価の話しを書いた事があります。原価が安いんだから売値も安くするべきなのか。
これについての自分の考え方は過去記事を読んでもらいたいと思うのですが、本当に正直な事を言うと、「原価なんてあって無いようなもの」だと思ってます。
自分のような作り手は常に自分への投資をしてるんですが、製品単価にはその分が含まれます。
上に書いた自宅兼工場もそうですし、工場に入ってる機械も投資した資産です。
その機械を動かすために色々とトライ&エラーを繰り返してきましたし、今も毎日その繰り返しです。
好きでやってるので苦にはならないですが、それらを原価として割り切れるでしょうか。
売れるかどうかもわからないものを作って、もし買ってもらえなかったら大きな損失です。そのリスクも当然原価に含まれます。
買うか買わないかはお金を出すお客さんの判断です。こちらが食って行けないからと言って”要らないもの”を買ってくれる人は居ないでしょう。
だから「材料がいくらで手間がどのぐらいだから、製品単価はこのぐらいにするべき」みたいな事を買う側の人に言われてもどうしようもできません。
買える人は買ってくれれば良いし、買えない人は買ってくれなくて良いです。それがビジネスです。
小さなカスタムパーツメーカーの戦略
リールカスタムが魚を手にするための手段の一つであり、カスタムパーツは価値であるという事をおわかり頂けたでしょうか。
それでも「買える人は値段を気にせずに買って欲しい」という言葉にイマイチ納得いかないかもしれませんね。
リールカスタムパーツに限らず、釣り道具は実際に使ってみないと判断が難しいですから。
それをSNSやブログだけで説明しても、実物を見ないとわからないのは当然です。いくら釣るための投資と思っても、安いリールが一台買えてしまう金額を簡単に出せないのは良くわかります。
名のあるメーカーさんなら全国のショップに商品を卸して、店頭で誰もが手にできるようにしてますが、小さなメーカーとしては中々無理があります。資本が無いからです。
そこで無料プレゼント抽選会を企画した訳ですが、これは苦肉の策でした。外せば会社が傾くほどの投資でしたから(苦笑。
Twitterで製品を宣伝しながら、当選した人がさらに画像をアップして宣伝してくれる。大きな賭けでしたが、フォロワーさんには本当に助けてもらいました。
当選を引き当てた方の中の何割かが宣伝してくれれば御の字だと思ってたのですが、ほとんど全員のフォロワーさんが拡散に協力してくれて。予想の斜め上を行く宣伝効果となった訳です。
Twitterやインスタ、ブログなどで紹介して頂いた方々、本当にありがとうございました。
さいごに
ルアーフィッシングをする人でリールをカスタムしてる人の割合は凄く少ないと感じてます。おそらく釣り人工全体の中の0.1%以下なんじゃないかと(肌感覚)。
その中でさらにKDW製品を使ってくれてる人は全体の0.001%ぐらいだと推測します(KDWユーザーのみなさんいつもありがとうございます)。
つまり超マニアックでニッチなメーカーという事ではないかと思うんですよね(笑。
そんなメーカーですから、多くの方に支持されるまでには時間がかかると思っていて、今はコツコツ信用を貯めてるところです。
自分ひとりではとても食っていけないのですが、幸いな事に現在順調にTwitterのフォロワーさんが増えてきておりまして、製品の宣伝広告部隊として奮闘頂いております(笑。
今KDWのパーツを見て、値段で躊躇して買うのを留まってる人が沢山いると思いますが、その人達に対して製品の良さを感じてもらう事が当面の課題です。
繰り返しになりますが、実物を見られなければ買うのを躊躇するのは当たり前で、お金を出す価値があるのか判断できなくて当然ですよね。
なのでこれからも無料のプレゼント抽選会を続けていきますし、そこで当選した方にはなるべく周りの人に見て触ってもらって、間接的に営業活動をしてもらえればと勝手な事を思っております(笑。
近い将来KDW製品が全国の店頭に並んで、いつでも実物を見て触ってもらえるぐらい力を付けたいと思います。
そんな小さなメーカーですが、よかったら今後ともよろしくお付き合いのほどお願い申し上げます。
毎度乱文失礼しました。
では。