長い間作る作る詐欺でしたが、この度やっと完成しました!
21カルカッタコンクエスト200/201用オフセットクラッチについてコンセプトなど書いてみたいと思います。
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21カルカッタコンクエスト200/201のクラッチ
こんにちは、かけづかです。
タイトルにあるように、重い腰を上げてやって完成させた21カルカッタコンクエスト200/201用オフセットクラッチが完成しました。
2021年に発表された21カルカッタコンクエストですが、既に100/101用オフセットクラッチは作ってあったんですよね。
ではなぜ200/201用はこんなに時間がかかってしまったかというと、ぶっちゃけ自分が使わないからでした。すみません。
自分のバス釣りが関東レンタルボートスタイルという事で、ショートディスタンスでのサイドキャストやピッチングが殆どで、フルキャストでの大遠投をする必要が無い事から、リールの糸巻き量は30mもあれば十分で、50mは多すぎというレベルです。
スタイル的にビッグベイトもあまり使わず、シャロークランクなら101がドンズバ、ちょっと重量のあるルアーはメタニウムかバンタムでも十分だし、遠投性能で言えばアンタレス系だろうと思ってました。
自分の勝手な想像ですが、カルコンは遠投には不向きで、巻き上げトルクは凄いけど関東のバス釣りではあまり出番は無いと思ってたんですよね。
ではなぜオフセットクラッチを作ったのかといえば、前々から作って欲しいというご要望が多かったからです。
きっと関西方面のワイルドな釣りをする方々に需要あるんだろうなーと勝手に思ってました。
スプール径Φ38mmに対応するオフセットクラッチはむずかしい
さて、KDW製品のコンセプトは「制作者自身が欲しいもの、使いたいもの」でやってきたのですが、だからといって自分が使わないものは絶対作らないという訳ではありません。
今回の21カルカッタコンクエスト200/201もそうですが、自分が使わないとしてもカケヅカに作って欲しいと言われればそれは大きなモチベーションになります。
そして作るからには自分の色というか、KDWで作るとこんな感じになるぜ!という感じは出したいと思いながら作りました。
ただ、アンタレス系もそうでしたが、スプール径が大きいリールはフィット感を出すのが中々難しいんですよね。
やはりリールそのものが大ぶりで、クラッチの位置も高く設定されているのでオフセットさせるだけの余白が少ないというか。
作るなら見た目だけの単なるドレスアップパーツにはしたくない(それも全然アリだけど。
どうやってフィット感を出そうか悩みましたが、その前にまずは本体を入手して検討しようと。
100/101とサイズ感近いぞ
実際に21カルカッタコンクエスト201を入手(中古)してみて軽く驚いたのは、101とサイズ感が近いという事。
もしかしてボディー同じなんじゃないかと思うぐらい小さい。
さすがに直接比べてみたら若干大きかったですが、それでも手にすっぽり収まるぐらいコンパクト。
これでスプール径は100/101がΦ33mm、200/201がΦ38mmと、その差5mmもあるのはビックリです。
でも残念な事にKDW製オフセットクラッチカルコン100/101用は200/201には使えないんですよね。
「カルコン100/101用オフセットクラッチは200/201に使えますか」
という問い合わせをよく頂くのですが、スプール径の差が大きいので適合しません。
純正クラッチはどちらも共用なんですけどね。
カルコン200のクラッチは専用設計
カルコン100用クラッチを200にセットするとスプールが干渉してしまいます。というかクラッチが邪魔してスプールがボディーに入りません。
KDW製クラッチはスプールとクラッチの距離を詰めてサミングのしやすさを重視してるので、リール1台1台に合わせて専用設計してるんですよね。
なのでもちろん21カルカッタコンクエスト100/101もそれ専用に作ってるので、200用は新しく作る必要があるわけです。
当初は100用クラッチのデータを流用してチャチャッと作れると思ったのですが、ボディーサイズが大差ないのにスプール径が大きく違うので、100のデータを流用しても全然フィーリングが良くなかった。
なので渋々w新規に図面を起こして専用設計で作る羽目になったという訳です。
どのリールもそうですが、やはりタッチ感とか切り心地はクラッチ制作において一番重要なところですからね。
KDWクラッチの基本コンセプト
さて、どのリールのクラッチも同じなんですが、21カルカッタコンクエスト200/201も例外ではなく。
KDWオフセットクラッチの基本コンセプトはサミングのしやすさの追求なので、スプールとクラッチとのスペースはできる限り狭い方が良いと考えます。
カケヅカ個人の主観と言われればそれまでですが、ベイトリールのキャストにおいてスプールとクラッチは同時に触れる面積が多い方がサミングコントロールはしやすいと思うんですよね。
そしてクラッチレバーの面積はある程度大きい方が置いた指が安定すると思います。
さらに指を置くところは滑らかな曲面(R面)になってると触り心地が良く、指をスライドさせやすいので微妙なサミングをし易いです。
21カルカッタコンクエスト200/201はそれなりに重量のあるルアーを扱う事が多いと思うのですが、例えばビッグベイトやヘビキャロなどのキャストで、バックスウィングした時に指の押さえが足りなくてスプールが滑って少しラインが引っ張られて出てしまう事がありませんか? 自分は良くあります。
そんな時にクラッチとスプールの距離が近いとクラッチレバーを触りながらスプールをしっかり押さえられるので、滑ってラインが出てしまう事がなくなります。
ベイトフィネスリールだとクラッチを切ったままアクションしたり、そのままフッキングしたりする事がありますが(自分だけ?)、さすがにカルコンだとそれは無いと思いますが、それでもクラッチ面は大きめな方が何かと操作感が良かったりすると個人的に思う訳です。
KDW製品全般に言える事ですが、やはり自分がやりやすいと思う事を形にするのが良いと思ってます。それが合わない人も絶対いるんですけど、そこはカスタムパーツなので、合わない人は使わなければ良いだけ。生意気言って申し訳ないですが、そういうモノだと思います。
21カルカッタコンクエスト201用オフセットクラッチを使ってみて
さて、先日完成したオフセットクラッチをセットした21カルカッタコンクエスト201を実際に使ってきました。
カルコン201は自分のスタイルだとあまり出番は無いのですが、たまたま秋の相模湖で自分の巻物の師匠でもある横井氏からお誘いがあり、メインにディープクランクをやるとの事だったので、なんてタイムリーなんだ、と。
当日はディープクランク用に2セットタックルを用意して、一本は7ftのMクラスのロッドに21アンタレスDC、もう一本に69MHロッド×21カルカッタコンクエスト201。
正直遠投するならカルコンではアンタレス系に太刀打ちできないと思ってたのですが、どっこいまったく遜色ない飛距離を叩きだすのにはビックリでした。
まあルアー自体に重量があるのである程度飛距離は稼げると思ってましたが、現行のカルコンはスプールのナロー化でストレスのない飛距離を実現してますね。
肝心のクラッチですが、これが全然印象に残ってないというのが正直なところ。
こう書くと特徴のない駄作なのかと思われるかもしれません。
でも自分の場合はSHIMANOベイトリールの多くがクラッチに違和感ありありで、”そこだけ”が不満だったんです。
なので作り手として違和感が無いという事は、リールへの不満を全く感じなかったという事です。
自社の製品を客観的に見て
『凄く良い』とか『最高』とか、自社の製品を持ち上げて書く事は出来るけど、ユーザーさんにお伝えしたいのはそういう事ではなく。
カスタムパーツって万人に良いモノでは無いと思うんですよ。
凄くフィットするか全然合わないか。両極端なぐらいで良いのではないかと。
抽象的な言い方になってしまいますが、刺さるか刺さらないかで良いと思ってます。
もし今のSHIMANOリールのクラッチに違和感がある人がいたら、そこはもうグサッと刺さるのではないかと思います。
そんな訳で興味が湧いた方、ぜひ手にとってみてください!