前回STEEZ LIMITEDの分解記事を公開したので、今回は組み立ての手順を解説します。
今回もスティーズSVTWやATW、19モアザンとほぼ同じ構造なので、参考にしてもらえたらと思います。
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DAIWA STEEZ LIMITEDの組み立て手順
こんにちは、ほぼフリッパーややクランカーのかけづかです。
KDW製スティーズ用ジュラルミン削り出しクラッチの販売に先立って、先日分解記事を公開しましたので、その続きで組み立て手順を解説します。
ダイワのTWS系リールは、分解よりもむしろ組み立ての方が難易度が高めだと思います。でも大丈夫!
部品さえ紛失しなければ誰にでも組み立てはできます。今回の記事は初めて分解組み立てをやる方にもわかりやすいように、画像満載で書き上げました。
クラッチ交換に限らず、セルフメンテナンスの参考にしてもらえると良いかと思います。
DAIWA STEEZ LIMITEDの組み立ては最初が肝心
それではスティーズの組み立てを解説していきますが、最初が一番の山です。ここをクリアしてしまえばあとは簡単ですから。
解説にあたり、最初に組み上げるパーツの名称と形状を確認しておきますね↓
まずはクラッチにクラッチカムプレートと呼ばれるパーツを挿していくのですが、その前に下の画像にあるピンを予めセットしておきます↓
続いてキックレバーと呼ばれるパーツにクラッチカムSP(スプリング)を用意します。スプリングには向きがあるので注意↓
クラッチカムSPはボディーに設けられている穴に入る。この穴が分かりづらい(苦笑↓
ピンとキックレバーをセットしたまま、クラッチレバーの位置を確認しておきます↓
ここからがダイワTWSリール組み立ての最大の山場。複数のパーツを同時にセットしなくてはならないので、パーツの紛失にはくれぐれも注意してください。
クラッチレバーをボディーと一緒に持って、クラッチカムプレートを挿していきます↓
この時のコツは、まずクラッチカムプレートの白い樹脂部分下にある穴に、キックレバーの突起部を挿してしまうことです。本体へハメ込むのはその後でも大丈夫です。
ちょっとコツが要りますが、クラッチカムレバーを本体ボディーの凹凸に滑らせながらハメこんでいく感じでしょうか。感覚をテキストで説明するのが難しい(汗。
クラッチレバーにクラッチカムプレートを差し込みながら、キックレバーが飛ばないように本体の凹凸にハメこんでいくのを同時にやるので、かなり慣れが必要な作業です。
この時手が滑ってパーツを飛ばしてしまったりするので、慣れないうちは大きめのポリ袋の中にリールをスッポリ入れて作業する事をオススメします。もし途中でパーツが飛んでしまっても、最悪紛失しなければ全然大丈夫ですので。
なんとか上手くはめ込んでもらって、ここで油断しないでください。クラッチカムプレートと本体ボディーを抑えてる手を決して緩めないようにします。
クラッチカムプレートを抑えたままの状態で、クラッチカムプレートSC(スクリュー)を留めていきます。この時、先に薄いワッシャーを入れるのを忘れずに↓
ワッシャーをメスネジの縁にキレイに収まるように当てます。クラッチカムプレートの黒い部分が浮いてるとワッシャーがちゃんと座らないので、本体ボディーに押し付けながら作業すると良いです。
クラッチカムSCは予め取りやすい所に用意しておいて、すぐにセットできるようにしておいた方が良いですよ。
ここまでできたら後は難しい箇所は無いです。
スティーズのTWSとクラッチカムプレートの位置合わせ
クラッチカムを留めてしまえば後はもう順番通りパーツをセットしていくだけです。
次のパーツを取り付ける前に、TWSと連動してる部分にクラッチカムプレートを合わせておきます。自分はこれを忘れて組み上げてしまい、後で動かないというミスを何度もしてますので(汗。
クラッチカムプレートを爪などで少しだけ持ち上げて、右手でTWSのレベルワイダーを倒したり起こしたりしながら合わせていきます。やってるうちに丁度よい箇所があるのがわかると思います。
クラッチカムプレートとTWSがちゃんとハマったら、その場でクラッチをON/OFFして動作確認してみてください。スムーズに動けば大丈夫です。
DAIWA STEEZ LIMITEDのクラッチカム押さえ板をセットする
次にクラッチカム押さえ板をセットします。向きがあるので間違えないように。
クラッチカム押さえ板をセットする時、最初に奥側のビスを一本を少し締めて置くと作業がやりやすいです。その際小さなワッシャーがあるので、これに引っかからないように気をつけて。
クラッチカム押さえ板は特にバネが効いてるような事はないので、軽く抑えておけばOK。正ネジなので時計方向に回すと締まります。
DAIWA STEEZ LIMITEDのウォームシャフトギヤをセットする
続いてレベルワインダーを動かすためのウォームシャフトギヤをセットします。これもダイワの分解図に正式名が無いんですけどね(苦笑。
作業中に外れてしまったベアリングをセットします。オーバーホールの時はこのベアリングを洗浄してオイルを挿してやると良いですよ。
低価格帯のリールだと樹脂カラーになってる場合が多いですが、さすがハイエンド機種。ここにベアリングが入ってると巻き心地が結構変わります。
ベアリングがセットしてあるのを確認して、ウォームシャフトギヤをハメこんでいきます。ハメこむ穴に向きがありますので注意です。
しっかりハメこむとウォームシャフトの先端が出っ張ってきます。ここをEリングで固定します。
ギヤをきっちりハメ混んだら、ここにEリングを当ててラジオペンチなどで差し込んでやります。ここもパーツ飛ばしポイントなので、慣れないうちはポリ袋の中で作業する事をオススメします。
今回の組み立ての難しいポイントはここまで。この時点でクラッチやレベルワインドがちゃんと作動するか確認しておきましょう。
DAIWA STEEZ LIMITEDのギヤシャフト取り付け
つづいてギヤシャフトを取り付けます。ネジを失くさないようにリールを上向きにして作業した方が良いです。
ギヤシャフトをハメこんだらネジを締めます。ここも正ネジなので時計周りで締まります。
結構ガッチリ締めた方が良いですが、くれぐれもネジ頭を舐めてしまわないように注意です。
ネジを締めたらてでギヤシャフトをクルクル回してみます。レベルワインダーが正常に動けばOK。
スティーズのドライブギヤをセットする
続いてドライブギヤをセットしていきますが、その前にピニオンギヤとクラッチヨークのセットをセットしておきます。向きがあるので注意です。
ここからギヤ類をセットしていきます。まずはラチェットと呼ばれるパーツから。これはクラッチを戻す(返す)ためのパーツ。向きがあるので注意です。
ラチェットはウォームシャフトギヤ(白い樹脂のギヤ)にピッタリ密着するまでハメこみます。ラチェットを持ってギヤシャフトをクルクル回してるうちにハマる箇所が見つかります。
続いてドライブギヤをセットしていきます。外した時にそのままになってればまとめて差し込んでやればOK。
もしもバラバラになってしまった時は、↓の画像の順番でセットしていってください。
スティーズのクラッチリングとクラッチヨークバネをセットする
このあとLSプレートというサイドボディーをセットしますが、その前にクラッチリングとクラッチヨークバネをセットしておきます。
まずクラッチリングと呼ばれるパイプ状のカラーをギヤシャフトに差し込みます。
差し込んだ後に↓の画像の状態になるようにしてください。
つづいてクラッチヨークバネをセットします。2つで一組のヤツですね。
スティーズのLSプレートをセットする
続いてLSプレートと呼ばれるサイドカバー(?)的なものをセットしていきます。
スピードシャフト構造なので、メカニカルキャップ内側から出てる黒いシャフトをピニオンギヤの中心の穴に差し込むようにセットしていきます。
LSプレートが閉まったらネジで固定していきます。画像はジュラルミン六角ビスですが、ノーマルは+ネジだと思います。
さあ完成まであと一歩です!
スティーズのハンドルをセットする
最後の作業はハンドルのセットです。ハンドルだけ交換するカスタムもありますが、ここまでやった方なら簡単な作業ですよね(笑。
まずギヤシャフトにベアリングをセットします。これは特に向きはないです。
続いてハンドルベアリングワッシャーをセット。これは良く忘れてしまうパーツなので気を付けて。組み立てた後に余る謎のパーツの1つです(笑。
続いてドラグホルダーをセット。
次にドラグSP・W(スプリングワッシャー)をセット。これは向きがあるので間違えないように。
↓の画像のように間に隙間ができるようにセットする。ドラグを締め込んだ時に反発する仕組み。
続いてスタードラグ固定ワッシャーをセットします。これもダイワの分解図に名称が無かった…。
↓の画像は左ハンドルモデルなので逆ネジです。黄色い矢印の方向に回すと締まります。右ハンドルは正ネジなので時計周りで締ります。間違えないように。
スタードラグ固定ナットには座金が付いてるので、これが付いてるのを確認してください。大体グリスで固定ナットに張り付いてるはず。
スタードラグ固定ナットをある程度締め込んだら、溝を切ってある部分にスプリングをハメます。これはただ差し込むだけ。
続いてスタードラグをセットします。向きが上手く合わせてやるのがコツ。
スタードラグをハメこむコツとしては、入れた後にスタードラグを左右に回しながらガコっとハマるところを探す事。スタードラグからギヤシャフトで飛び出せばOK。
スタードラグはスプリングが効いてるので、手で抑えてないとギヤシャフトが飛び出ないので、しっかり抑えます。
スタードラグをセットしたら、いよいよハンドルをセットして終了です。まず座金を先にセットします↓
ここまでの作業では常にスタードラグを抑えておいてください。
続いてハンドルをセットします。
ハンドルセットしたらしっかり抑えておきます。
続いてハンドルをロックボルトで固定します。通常左ハンドルモデルは逆ネジなのですが、ダイワのスティーズなどハンドルロックボルトで締めるタイプは全部正ネジのようです。
ハンドルを締め込んだ後は↓の画像のような向きになるようにする。このあとセットするリテーナー(ハンドルロックプレート)に合わせるため。
最後にリテーナーをセットしてネジを閉めれば組み立て完了です。
リテーナー固定ビスを締め込みます。ここも正ネジなので時計周りで締まります。
あとはスプールを入れてサイドカップをセットすれば作業完了!
お疲れ様でした!!
さいごに
ダイワTWS系リールはクラッチ交換するのにここまで分解しないといけないんですよね。上手くできたでしょうか。
分解から組み立てまで画像とテキストにすると大変ですが、これを見てセルフメンテナンスの際の参考にしてもらえれば幸いです。
いずれ自分の愛機を自分でオーバーホールできるようになると、一層愛着が湧くのではないでしょうか。
今回はクラッチ交換のための解説でしたが、みなさんのお役に立てれば幸いです。
では。