年末セールに出品予定の商品を紹介するシリーズ第二段は20カルカッタコンクエストDC101用オフセットクラッチのプロト品です。
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20カルカッタコンクエストDC101用オフセットクラッチ(プロト品)
こんにちは、かけづかです。
長い間作る作ると言っておいて全然手を付けなかった20カルカッタコンクエストDC用クラッチですが、やっと重い腰を上げて着手しています。
現在は左ハンドル用の量産に入ってるのですが、それまでに作った最終プロト品を、新たに導入した回転バレル研磨機のテストに使ったところ、凄く良い仕上がりになったのでお試しでアルマイトをつけてみました。カルコンBFS用クラッチ同様、凄く良い感じに仕上がったと思います。
新規肉抜きデザイン
カルコンBFS用クラッチをベースにして、肉抜きのデザインを新規に削ってみたのですが、最終的にこのこの形が凄く自分好みに。
クラッチ面を一度平に整えてから平面加工にしたところ、ボディーの肉抜きデザインと見た目の感じが完全に一致。
触り心地がちょっと心配だったのですが、実際に指を置いてみても全然違和感なく。これはもう決まりだな、と。
じつは曲面に合わせて削ってみたりもしたのですが、なんかこう、イマイチしっくりこないというか。
このリールのデザインは平行に3列スリットが入ってるのがキモで、それを曲面に合わせて肉抜きしてしまうと見た目全然違う感じになってしまうんですよね。
加工的にはわざわざ難しい事をした上に見た目がイマイチではちと辛い。
そこで敢えて曲面に平面を設けて、そこに並行スリットを入れてみたらドンズバな感じになりました。
諸事情による値段設定見直し
今回はテストサンプルという事で、正規品よりお安く提供させて頂きますが、昨今の材料等高騰の影響で、新作クラッチからは値段に反映させて頂くようになってしまいます。
今回の20カルカッタコンクエストDC101用オフセットクラッチはΦ0.8(直径0.8mm)のエンドミルを使用しているため、加工サイクルタイムが通常の肉抜きより時間が掛かるんですよね。
しかもここまで細い刃物を使うのはかなり高回転で主軸を回転させるので、電気代もバカにならず。さらにこの手の刃物って細くなるほど価格が上がっていくので、諸々合わせると結構コストがかかってるんです。
それに加えて加工機械に使う切削油が馬鹿みたいな値上がり。
https://twitter.com/kakedukaSS/status/1593433097906765824
クラッチの切削に使っている小型マシニングセンターに必要な切削油は約100リットル。使っていくうちに段々と減っていきますから、年に数回補充するのですが、コロナやロシア・ウクライナ情勢の影響で毎月のように値上がり続け、今では一斗缶あたり1万数千円(汗。この仕事を始めた時から2倍以上になってます。
末端のお客さんに価格を転嫁するみたいで本当に申し訳ないのですが、今の日本でものづくりをする以上、こうなってしまう事をどうかご理解ください。
言い訳ばかりになってしまいましたが、自分なりに良いものを作ろうと思うと妥協できない部分なので、それでも良いと言ってくれる方はぜひ12/22からのセールでチェックしてみてください。