ベアリングがスムースに回転してるか調べるのに最適なHEDGEHOG STUDIOのベアリングチェックツールPRO。
精度が重要なツールだけに、製作には気を使ってます。
手間と不良率を天秤にかけて、一体ものか2部品かで悩んだ話。
【ページへのいいねを押してもらえると毎日最新記事をお届けできます】
ベアリングチェックツールPROとは
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカ(@kakedukzss)です。
リールメンテナンスの時にベアリングのゴリ感をチェックするのに最適なのがベアリングチェックツールPRO。
内径2mmから10mmに対応しており、1mm飛びで2・3・4・5・6・7・8・9・10mm(内径)のベアリングをセットしてもらえます。
HEDGEHOG STUDIOではリールメンテナンスに関する専用ツールの販売をしてまして、その多くはKDW(KAKEDZUKA DESIGN WORKS)で製作しています。
スプールベアリングリムーバーやハンドルノブキャップリムーバー、トラストレンチなど、ロングセラーになってる商品がいくつかあるんですよ。
checkスプールベアリングの洗浄や交換などに便利な専用ツール【スプールベアリングリムーバーTypeR】
これが今年しれーっとマイナーチェンジしてまして、じつは2部品製になってます。
これに気付いてる方もいるのかもしれませんが、今回は初告白です(笑。
ベアリングメンテナンスの必需品
それではベアリングチェックツールPROの使い方を説明します。
といっても特に難しい事はなくて、ベアリングの回転をチェックしたり、洗浄・乾燥・オイルアップする時にキッチリと出来るという事です。
ベアリングの洗浄についてはこちらの動画を参考にしてください↓
このベアリングチェックツールPROですが、以前はベアリングチェックツールライトとして、もっと小ぶりなモデルだったんですよ。
それが各方面からの要望とHEDGEHOG STUDIO社長の決断で、もっと沢山のサイズのベアリングもメンテナンスできるようなモデルを作る事になったんですね。
以前のモデルはベアリングの内径が3mm/4mm/5mm/6mm/7mmの五種類までしかセットできませんでした。
それを現行のベアリングチェックツールPROでは2mm/3mm/4mm/5mm/6mm/7mm/8mm/9mm/10mmと9種類まで対応。
ボディーサイズも大きくして、持ちやすくしたんですよね。
これで大きなサイズのリールでもベアリングのセットが可能になりました。
じつは釣り関係以外、ミニ四駆愛好家の方やスケボーの方にもご支持を頂いてるという噂も(笑。
不良との戦い
ところがこのベアリングチェックツールPRO、非常に加工が安定しないんです。
ツールとしては使用に問題ないのですが、見た目にキズや打痕が付いてしまうんですよね。
その不良率が2割を超えてしまうんですよ。という事は、500本作って100本はアウト、という(泣。
しかも微細なキズに関しては、カラーアルマイトから上がってこないと目視でわかりにくいんですよね。
そんな訳で初回に作ったものはかなりB品が出て、イベントで配ったり、お会いした方に差し上げたりしたんです。
でも正規の品物にしないと売り上げにならないので、悩んだあげくに2部品化に踏み切ったんですよ。
製造コストは上がったが
2部品にするという事は、加工時間は2倍近くかかる訳です。
厳密に2倍ではないですがマシンでの加工時間は確実に増えるし、その後のカラーアルマイトも2回分請求されます(苦笑。
さらにその後、組み立ての手間も入りますから、製品にするまでの時間は一体ものに比べて数倍かかってます。
それでも2部品にした事は英断だったと思ってます。それは目に見えない部分でコスト削減できてるからですね。
その理由は、「人件費が一番単価に影響する」という事です。
それまで通り一体ものを削り続けてたとしたら、マシンの調整や検品に相当な時間を浪費してしまい、その分を単価に乗せなくてはならなくなります。
100個削って20個が不良、1000個削れば200個不良が出る計算。これはプロの加工屋として絶対ダメですよね(笑。
その不良は廃棄する事になり、その分の単価は正規の製品に乗せるしかない。
その結果製品1個の値段が上がれば、自分の技術不足をお客さんに負担させる事になってしまいますよね。
ならば2部品にする事で人件費を大幅に削減すれば、あとは在庫の作り置き等の工夫で何とか末端価格を据え置きできると考えたんです。。
ユーザーさんがどう思うのか
さて、KAKEDZUKA DESIGN WORKSとヘッジホッグスタジオの関係はこんな感じで変化への対応が早いんです(笑。
でもお客さん的にはどうなんでしょうね。
旧作と新作で仕様が違うというのは、買ってもらってる方に対しては多少申し訳ない気持ちはあります。
同じ値段で、新しくリリースされた方が出来が良かったら良い気持ちはしないですよね。
ただ作り手としては、値段が変わらずに良くなる可能性があるなら、そこは変えていくべきだと考えてます。
過去の形や仕様に縛られてると、製品の進化がないですからね。
まあ、先に買ってくれたお客さんがどう思うのか心配ではありますが(汗っ。
でも、先行で作ったものは時間と労力が沢山継ぎこまれた、渾身の一作だったりするんですよね。
お客さんには関係ないかもしれませんが、そういうマインドが今後の製品開発に活かされてくると思ってください。
さいごに
ベアリングチェックツールPROですが、使用感は最初のモデルから現行モデルまで変わってません。
1人の方が複数使うものでもないですし、今お手元にあるベアリングチェックツールPROは自分が精魂込めて作ったうちの一つです。
今後また仕様が変わるかもしれませんが、むしろ最初に作ったものの価値が上がるくらい自分の技術をアップさせていきたいと思ってます。
それはまるで有名デザイナーさんが無名の頃に手がけた作品が、コアなファンの間で価値が上がるように(笑。
ツールにしてもカスタムパーツにしても、製品が良いのはあたりまえで、それ以上に名前売りが出来るくらい精進して行くつもりです。
自分の死後に価値が爆上がりするなんて事があったりして(笑。
終わります。
ベアリングチェックツールPROの購入はこちら