SHIMANO系リールのスプールはスプール軸が長いんですよ。
ベイトフィネスに限らず、スプールの重量はなるべく軽い方が回転の初速が良いはずなんですが、なぜわざわざスプール軸を長くしてるんでしょうか。
AbuやDaiwaのベイトフィネスリールはスプール軸が短いものが多いのですが、その違いが気になるので、考えてみました。
スプールは軽い方が良い?
みなさんこんにちは、ほぼフリッパーのカケヅカ(@kakedukzss)です。
仕事柄リールを分解する事が多いのですが、その中でSHIMANOのリールのスプールが気になってまして。
特に16アルデバランBFS XGの時は不思議でしたね。
自分は持ってないんですが、スプール軸が長いんですよ。
↑画像はSHIMANOホームページから拝借しました
ベイトフィネス界?の常識では、スプールはなるべく軽い方が初速が出るし、ブレーキも効くはずなんですが。
16メタニウムMGLの好例
今期良い噂しか聞かないSHIMANO16メタニウムMGLですが、やっぱりスプール軸は長いんですよ。
[blogcard url=”http://kakedzuka.com/2016/08/16metanium-mgl/”]
おそらくボディーは13メタニウムと同じだと思うのですが、スプールにベアリングがセットされている部分が大きな?違いなんですよね。
[blogcard url=”http://kakedzuka.com/2016/10/13metanium-16metanium-spool-3/”]
で、スプールにベアリングがセットされてる状態なら、スプール軸は長い必要はないのでは?、とも思えるのですが。
でも、良い評判を支えているキャストフィールにおいて、スプール軸が長いのは、何か関係があるのでは?、とも思えるんですよ。
それは軸が長いことで、スプールの回転に安定感を出してるのではないかと推測してるんですよね。
つまり回転しているスプールには遠心力が働いてるので、それを制御するには長い軸が必要なのではないか、と。
事実、16メタニウムMGLのスプール軸は回転時ピニオンギヤには触れてないんですよ。
メカノブキャップでスプール軸を押さえる際に、軸の根元にセットされているベアリング部以外はどこにも干渉してないんです。
[blogcard url=”http://kakedzuka.com/2016/10/13metanium-16metanium-spool-3/”]
説明がダラダラと長くなってすみません。
要するに、スプールシャフトが長い分、よりスプール回転がブレにくいのではないか?、という事を言いたい訳です。
ジャイロ効果
それで思いついたのは【ジャイロ効果】というやつ。
ジャイロ効果(ジャイロこうか)とは、一般には物体が自転運動をすると(自転が高速なほど)姿勢を乱されにくくなる現象を指す。(wikipediaより)
昔自転車をバラすのが好きで、車輪を外して遊んだりしてたんです。
で、タイヤを回転させると、軸を両手で持ってそのまま車輪を傾けようとしても、人の力では全然向きが変えられないんですよ。
これがジャイロ効果というヤツなんですよね。
早い話が遠心力が働いた状態のものは、その方向に強い力が働いてるので、違う方向には傾きにくいんです。
これをリールのスプールに当てはめると、高速回転しているスプールはその姿勢を崩しにくいので、スプールシャフトを長くして制御する必要がないようにも思えるのですが。
スプールと放出するラインの関係
ジャイロ効果によってスプールの回転は安定してると思うのですが、不確定要素としてラインの存在があります。
釣りとラインは切っても切れない関係ですから、これを抜きにリールの話はできませんよね(笑。
で、そのラインですが、釣りをしてると、どの位置からキャストして、どの位置でまき終わるのかは予想する事は無理ですよね。
自分は昔、キャスト前に必ずレベルワインダーが真ん中にくるようにしてから投げるようにしてました。
でも、ある時から面倒になってやめてしまいましたね。
一日キャストを続けるのに、そこまでやってられないですから(笑。
まあ、それは良いとして、スプールに対してラインが不規則に巻かれてるので、キャスト時に高速回転するスプールは微妙にブレが発生してるのではないか、と思う訳です。
それは体感ではわからないレベルなのかもしれませんが、スプールシャフトが長い事で、その微妙なブレを制御してるんじゃないか、と。
回転軸の重量は負荷にならない?
さて、ここで核心にせまってみたいのですが、スプールという回転体に対して、理屈では中心の回転数はゼロな訳です。
まあ、数字の上での屁理屈とも言える訳ですが、それでも中心付近の回転速度は外側に比べて少ないのは間違いないんですよね。
わかりやすく言うと、運動会の徒競走でアウト側を走ってる人よりイン側を走ってる人の方が短い距離を走りますよね。
その際に同じタイムでゴールした場合、外側を走っていた人の方がスピードが上だった訳です。
で、リールのスプールですが、ラインが巻いてある部分は高速で回転していても、軸の部分は回転が極端に遅い訳なんですよ。
なので軸の分の重量はスプールの回転にほとんど影響がでないのではないかと考えられるんですよね。
もしそうなら、軸は長い方がスプールの回転が安定して、よりキャストしやすいとも言えるのではないでしょうか。
それがたとえベイトフィネス機であったとしても、スプール軸の重量は回転には関係ないのかもしれませんね。
手持ちの12アルデバランBFSも、スプール軸は長いですが回転はすこぶる良いんですよ。
じゃあスプール軸が短いリールは回転が不安定なのか?、と言われると何とも言えないんですが(汗っ。
abu revo ltx bf8のスプールは軸短いですが、回転の初速は速いです。
まあ、16Revoの場合はスタードラグとハンドルノブのガタ付きをなんとかすればかなり使えそうなんですが…。
ダイワがシャフトレスを採用しているので、対抗してシャフト有りを継続しているものだと思ってましたが……
クラッチの噛み付きを良くするためにシャフトレスより密着面を多くする理屈で、シャフトが長くなってるという話もありますね。
スペアスプールを持ち歩くのに神経使うし、水の浸入で回転抵抗になるしと、デメリットもありますから、どちらの利点を取るかって話になると思います。
コメントありがとうございます。自分としてはスプールの回転を安定させるためだとばかり思ってたのですが、そうではないとのご意見もあるようで。
この点については、今度のフィッシングショーでメーカーの方に直接お話を伺ってきますね。